研究課題/領域番号 |
16500155
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
情報図書館学・人文社会情報学
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
橋本 文彦 大阪市立大学, 大学院経済学研究科, 助教授 (30275234)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 確率場面 / 最適戦略 / 情報処理能力 / マルチモーダル / 時系列データ / 人間の行動 |
研究概要 |
本研究では、大別して三つのアプローチがとられた。 第一には、特に時系列で提示される経済情報について、ノイズを含んだ情報を与えられた場合に、人間が特にどのような情報に着目して意思決定を行なっているのか、またそのノイズに惑わされずに意思決定が行なわれるためにはどのような時間間隔・精度で情報を提示することが望ましいのかが検討された。これには、視線位置追跡装置等を用いた定量的な実験が行われ、迅速・安定・正確な処理に適した情報の量と時間間隔が求められた。また、時系列理解に対する被験者の「自信」がどのようにして形成され、それが取引行動にどのような影響を与えるのか、ということが実験的に検討された。その成果は、進化経済学会等で報告された。 第二には、視覚によって連続的に提示された情報が「アテンショナル・ブリンク」として知られる現象によって課題の遂行が妨害されることに着目し、視覚とその他の感覚に情報を同時に(あるいは連続して)与えることを、一つの感覚(ユニモーダル)に情報を与える場合に比較する実験がなされた。マルチモーダルな情報提示によっては、被験者の反応は必ずしも改善されず、期待した成果は得られなかったが、触覚によるフィードバックは被験者の誤反応を若干改善した。その成果は、ECVPなどで報告された。 そして、第三には、人間の現実の情報処理がどのようなルール・基準に基づいているのか、が検討された。すなわち、提示された不確実な情報を人間が処理する際に、従来考えられてきた「数学的な合理性」に従っていないように見えることが確かに頻繁にあるが、この判断基準の相違は人間が「ミス」をしているのではなく、不確実な現象の背後に「一般法則」の存在を仮定し、それを探求しようとしているものであるという可能性が示された。これらの成果は、WEHIAなどで報告された。
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