研究概要 |
1.カーネル多変量解析における感度分析:カーネル法では観測値の空間に対して非線形変換を施してヒルベルト空間に変換する。変換された空間を有限次元のユークリッド空間で近似して多変量解析の感度分析法を適用するという考え方でカーネルPCAにおける感度分析法を提案、metabolic gene networkデータに適用して、ネットワークの表すbiological systemにおいて重要な役割を果たすgeneを見つける有力な方法となる可能性を示唆した(Yamanishi & Tanaka,2006;Tanaka and Yamanishi,2006)。同じ考え方はカーネル正準相関分析などほかの多変量解析にも応用でき、現在研究中である。 2.関数データ解析における感度分析:関数PCAにおいて基底関数展開の係数ベクトルに対する経験影響関数(EIF)に基づいた感度分析法(単数観測値および複数観測値診断)を提案(Yamanishi & Tanaka,2005)、関数からサンプリングして多変量データに変換した多変量PCAの感度分析との関係について議論した。また、関数回帰分析の感度分析において、CookのDが残差とてこ比の関数として近似的に表現できること、通常の回帰分析の場合と同様にその関係を用いて影響の理由を検討できることを示した(Harasawa, Fueda & Tanaka,2006)。 3.Coxの比例ハザードモデルにおける感度分析:タイの取り扱いに関してBreslowとEfronの2つの方法を用いた場合について、複数観測値診断に重点をおいて感度分析法を提案し、いくつかの数値例に適用して提案した方法の有用性を確認した(Sung and Tanaka,2004)。 4.その他の感度分析法の研究:因子分析に対して、Tanaka and Watadani(1994)で提案した感度分析のrobust general procedureを、Atkinsonらのforward search法と併用することにより、より詳しい情報が得られることをシミュレーションにより示した(Yang, Tanaka and Nakaya,2006)。また、空間データに対するcovariogramモデルにおける感度分析法を提案した(Choi et al.2006)。 5.多変量解析における変数選択:主成分分析や因子分析など外的基準のない場合の変数選択について、Tanaka & Moriのmodified PCAを中心にして検討した。アルゴリズムとして、backward, forward, backward-forward, forward-backwardを取り上げ、人工データ、実データに適用して性能の検討を行った(Mori, et al.,2005,2007)。
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