研究概要 |
来るべき大学全入時代を前に,多くの高等教育機関において,学生の学力低下が問題となっている。特に,理数系科目においては,学生の知識,能力に大きなばらつきがあり,従来型の画一的な講義で対応するのは非常に困難な状況にある。このような状況に対応すべく我々の研究グループではWWWや電子メール等を補助的に活用した教授法をはじめ様々な試みを行っている。本研究では,すでに我々が取り組んでいるプロジェクトITLS(lnteractive Text for Learning Statistics)を基盤にし,JAVAなどのプラットホームに依存しない技術を利用して,学習者の知識レベルと能力に応じた"統合的インタラクティブ教育支援システム"の構築を目的とし,研究を遂行した。具体的には,主に以下の項目の研究開発を行った。 1.基盤コンテンツ,双方向コンテンツの充実 2.データ指向型統計教育用テキストの整備 3.動画・音声等を利用した説明付加及びコンテンツ作成の開発 4.海外の研究者とのコンテンツの共同開発 5.学習者レベルに合わせたコンテンツの多重化 6.インターネット上で入手可能な有益なデータを対象領域,適用手法などの情報を付加したデータベースの構築 7.国際学会へ成果報告・研究交流 また,数年来続けているドイツの研究者Prof.H.J.Mittag, Prof.W.Hardleとの共同研究の成果も利用しつつ,従来にない統合的な統計教育サイトの構築を目指した。このことにより,従来のシステムでは対応できなかった層の学生および実務者にも我々のプロジェクトの成果を利用可能にすることができると考えられ,この成果を利用した教育方法の開発にもつながると考えている。
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