研究課題/領域番号 |
16500188
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生体生命情報学
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研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
藤井 宏 京都産業大学, 工学部, 教授 (90065839)
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研究分担者 |
津田 一郎 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (10207384)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | ギャップ・ジャンクション / 脳の時空カオス / I^*類ニューロン / 過渡的シンクロニー / ミルナー・アトラクタ / 抑制性介在細胞系 / 脱分極性GABA_A / 抑制性背景場 / I*類ニューロンモデル / 過渡的同期・非同期現象 / ニューロン系のインターミッテンシー / 大脳皮質ギャップジャンクション系 / インアウト型インターミッテンシー / サドル・ノード型分岐 / オンオフ型インターミッテンシー / 遍歴的・過渡的動力学 / 抑制性背景場仮説 / ギャップ・ジャンクション結合介在細胞系 / 時空カオスの創発 / ミルナー・アトラクター / 動力学的"メモリー"像 / メモリーの動力学的パラダイム / インターミッテンシー / 脱分極性GABAの作用 |
研究概要 |
新皮質においてギャップ・ジャンクション(電気結合;Gap Junction ; GJ)によって稠密に結合された複数の抑制性介在細胞系の存在が知られている。研究代表者らは、そのようなGJ結合系のもつ動力学および、その知覚、認知に対する機能的役割について研究をすすめた。 I類ニューロンが特定の非線形性をもつとき、顕著な時空カオス、それに伴って過渡的なシンクロニーを発現することはすでに報告した。この報告では、さらにこのような動力学をもつニューロンのクラスについて、その数理的非線形構造を特徴づけクラス1*と呼んだ。このようなモデル系について、カオス動力学の構造を考察し、ミルナー型の非古典的アトラクタが系の動力学を統制している可能性を示した。 また、現実の大脳皮質において現れる過渡的シンクロニーとの関連について、抑制性介在細胞系のつくる"背景場"が機能的な錐体細胞系の組織化-すなわち動的なシンクロニー細胞グループの創成と知覚バインディングに本質的な関与を行っている可能性を述べる作業仮説を提出した。 つぎに、ミルナー・アトラクタ理論に基づく動力学系的メモリー理論を提出し、メモリーに関するカオス遍歴概念を拡張、基礎づけした。 さらに脱分極性GABA_Aの機能的役割に関する新仮説を、上述の動力学系的メモリー理論の見地から提出した。 今後の本主題については、前頭前野-皮質下の前脳基底部(Basal Forebrain)を含む注意、トップダウン系からのACh投射とそれに伴なう皮質動力学の状態遷移、新しいアトラクタ・ランドスケープの形成という文脈の中で、抑制性(あるいは脱抑制性の)皮質ダイナミクスの組織化の研究が課題となる。
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