研究課題/領域番号 |
16500210
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経科学一般
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
上口 裕之 独立行政法人理化学研究所, 神経成長機構研究チーム, チームリーダー (10233933)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 軸索 / 成長円錐 / 脂質ラフト / L1 / 接着分子 / エキソサイトーシス / 神経 / 膜小胞 / VAMP2 / 小脳 / プロテオミクス |
研究概要 |
細胞膜を構成する脂質と蛋白質は均一に分布するのではなく、特定の分子同士が集合あるいは離散した不均一な局在を示す。例えば、主としてスフィンゴ脂質とコレステロールから構成される大きさ数十から数百nmの微小領域(脂質ラフト)は、ある種の膜蛋白やシグナル伝達分子を豊富に含み、細胞外から細胞内へのシグナル伝達のプラットフォームと考えられている。神経細胞が軸索突起を伸ばして神経回路を形成する過程で、軸索突起の先端部(成長円錐)の脂質ラフトが必須であることを報告したが(J Cell Biol 159:1097-1108,2002)、脂質ラフトの役割の詳細については未解明であった。神経細胞に発現する細胞接着分子L1へのリガンド結合により脂質ラフト内外を移動する蛋白質の網羅的解析を行った結果、munc-18とシナプトフィジンを同定した。いずれの分子も細胞膜小胞のエキソサイトーシス制御に関与し、L1へのリガンド結合によりmunc-18はラフトから解離しシナプトフィジンはラフトに集積することが示唆された。これらの蛋白質の局在変化の結果から、細胞膜小胞のエキソサイトーシスは成長円錐での局所形質膜補給を制御し、このことが軸索突起の伸長やガイダンス(方向転換)に重要な役割を担うものと推察した。次に、軸索突起での細胞内膜輸送とエキソサイトーシスを詳細に解析した。成長円錐内部の膜小胞を標識してその動態を観察したところ、軸索突起が伸長する方向へ膜小胞が輸送された。さらに、(1)成長円錐の周辺部でVAMP2陽性膜小胞がエキソサイトーシスされること、(2)このエキソサイトーシスは軸索突起の誘引生ガイダンスに必須であることを発見した。以上、成長円錐での膜小胞のエキソサイトーシスは軸索突起の伸長方向を制御する重要な要素であることが明らかになった。
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