研究課題
基盤研究(C)
HGFは1995年に我々の研究室で初めてHGFが神経栄養活性を持つことを報告して以来、HGFの新規神経栄養因子としての解析が進んでいる。本研究では、HGFの神経変性疾患および高次脳機能に対する寄与について解析をすすめた。その過程で、HGF遺伝子治療ベクターの選別・適用条件についても検討を加え、その結果を踏まえ複数の神経変性疾患の治療研究を進めている。(a)HGFの筋萎縮性側索硬化症(ALS)の脳幹運動ニューロンに対する神経栄養作用:ALSの原因遺伝子の1つであるSOD1G93A変異遺伝子発現ALSモデルTgマウスと神経特異的HGF発現Tgマウスの交配実験を行い、従来明らかにできていなかった脳幹部の運動ニューロン変性に対するHGFの効果を解析した。その結果、顔面神経および舌下神経の2領域でおこる運動ニューロンの変性が、共にHGFとのダブルトランスジェニックマウスで強く抑制されることが明らかとなった。したがって、脊髄運動ニューロンに加え脳幹部運動ニューロンの変性をも抑制することでHGFがALS病態改善・寿命延長効果を示すことが示された。(b)HGFの遺伝子発現ベクターの構築と遺伝子投与法の検討:各種HGF遺伝子発現ウイルスベクターの構築およびその大量調整を自治医科大学遺伝子治療研究部およびロンドン大学・大阪医科大学脳神経外科との共同で行い、その脳神経疾患に適した投与法を検討した。現在その結果で絞ったHGF発現ウイルスベクターの各種神経疾患への適用研究を行い、すでに治療効果を見いだしている。(c)HGFの神経幹細胞の増殖・分化に対する寄与:c-Met/HGF受容体の発現解析とリコンビナントHGFおよび他の神経栄養因子・増殖因子の機能解析の結果、HGFは他の因子と強調しながら神経新生(neurogenesis)における多段回で機能していることが明らかとなった。(d)HGFの高次脳機能への寄与:成体ラットの脳室内にリコンビナントHGF蛋白質をミニポンによりinfusionすると、elevated T-maze testをはじめとした行動解析の結果、HGFの脳室内投与が抗不安作用を惹起することが大分大学精神科との共同研究により明らかとなった。HGFが高次脳機能に重要な機能を果たすことが明らかになった点で意義深い。
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