研究課題/領域番号 |
16500345
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
リハビリテーション科学・福祉工学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
衛藤 誠二 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (70295244)
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研究分担者 |
川平 和美 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20117493)
下堂薗 恵 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (30325782)
田中 信行 鹿児島大学, 名誉教授 (40041454)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 反復促通訓練 / 経頭蓋磁気刺激 / 片麻痺 / 脳卒中 / 反復促通療法 / 上肢機能評価 / 巧緻動作 |
研究概要 |
経頭蓋磁気刺激(transcranial magnetic stimulation : TMS)を反復促通訓練法に同期させて併用し、麻痺肢が目的とする運動を起こすタイミングで運動野を刺激することで、運動野から筋肉までの運動神経路を強化し、麻痺の改善に役立てることを考えた。本研究は麻痺の回復には特定の神経路の強化、再建を伴うはずとの観点から、目標とする神経路のみに興奮を伝える方法を開発した点に特徴がある。 脳卒中患者7名において、麻痺側上肢に対しTMS併用の反復促通訓練を行ったので、3症例を提示する。症例1は62歳の左視床出血患者で、麻痺側中指伸筋の随意的収縮に同期してTMS刺激を8の字コイルで4週間行った。STEF(Simple Test for Evaluating hand Function:簡易上肢機能検査)で15点から25/100点に改善した。症例2は44歳男性の右被殻出血患者で、麻痺側母指外転筋の随意的収縮に同期してTMSを5週間行った。麻痺側上肢の上田グレードが8から10に、手指のBrunnstrom stageがVからVIに改善した。症例3は52歳女性の右被殻出血患者で、麻痺側の肩屈曲、外転の随意的筋収縮に同期してTMSを円形コイルで刺激した。10週間後、麻痺側上肢の上田グレードが5から6に改善した。自覚的にもTMS後の方が肩屈曲を行いやすくなった。 これらの麻痺側上肢機能の改善は、反復促通訓練のみの期間の機能改善の度合いと同程度であったため、TMS併用の効果を証明するには至らなかった。しかし、TMSと反復促通訓練の併用によって麻痺筋の動きを大きく誘発することができたり、発症後3ヶ月以降の慢性期に麻痺の改善が見られたりしたことから、TMS併用反復促通訓練の有効性が示唆された。今後、厳密な観察、臨床成績の集積を行い、麻痺の改善に効果的な治療法を開発していく必要がある。
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