研究課題
基盤研究(C)
上肢あるいは下肢において両側同時に動作を行った場合、一側単独の場合と比較して両側性機能低下が観察される。これに関与していると考えられている主なメカニズムは、注意の分散、相反性抑制、大脳半球間抑制の3つである。これまで、筋力発揮時にみられる両側性機能低下と反応時間に見られるそれを同一の動作様式を用いて調べた研究は見当たらない。そこで、等尺性示指外転筋力をすばやく発揮する動作様式を用いて、脳波を解析することによって両側性機能低下のメカニズムを検討することにした。両側同時、一側左、一側右の3条件について、健常男性7名の等尺性最大随意筋力発揮反応時間課題中に、国際10-20電極配置法による脳波と左右の手の第一背側骨間筋から筋電図(EMG)を導出し、筋力とともに記録した。脳波は課題別に加算平均し、CNV(Contingent Negative Variation)の振幅を計測した。課題と手の2要因の分散分析の結果、7名中4名のEMG-RTに有意な両側性機能低下が見られたが、筋力には一貫した傾向が認められなかった。反応刺激提示時点における運動皮質に相当する部位のCNVの振幅には両側性機能低下の傾向が見られたが、統計的に有意ではなかった。運動準備中の運動皮質の活動低下がEMG-RTの両側性機能低下の原因であるかどうかについては、さらに研究が必要である。本研究では、「トレーニングによる両側性機能低下の特異的修飾」に大脳皮質レベルのメカニズムがどのように関与しているかを明らかにすることを目的としていたが、両側性機能低下に関与していると考えられているメカニズムをCNV等の脳波分析法を用いて検討した研究が少数のため、基礎的データを収集して実験システムを確立することに予想以上の時間を費やし、当初の計画を完全に遂行するに至らなかった。これらについては今後の課題としたい。
すべて 2006
すべて 雑誌論文 (5件)
Book of Abstract (Eds. Hoppeler, H., Reilly, T., Tsolakidis,E., Gfeller, L., and Klossner, S.) 11^<th> Annual Congress of the ECSS
ページ: 68-68
Advances in Exercise and Sports Physiology 12・3
ページ: 93-93
Book of Abstract (Eds.Hoppeler, H., Reilly, T., Tsolakidis, E., Gfeller, L., Klossner, S.) 11^<th> Annual Congress of the ECSS 68
Advances in Exercise and Sports Physiology 12(3)
Book of Abstract (Eds. Hoppeler, H., Reilly, T., solakidis,E., Gfeller, L., and Klossner, S.) ^<11>th Annual Congress of the ECSS
