研究課題/領域番号 |
16500424
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
スポーツ科学
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研究機関 | 国士舘大学 |
研究代表者 |
山本 徳郎 国士館大学, 体育学部, 教授 (40142327)
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研究分担者 |
清水 重勇 神戸大学, 発達科学部, 名誉教授 (60036671)
阿部 生雄 筑波大学, 体育科学系, 教授 (20091936)
時本 識資 国士館大学, 教授 (40217477)
田原 淳子 中京女子大学, 健康科学部, 助教授 (70207207)
和田 浩一 (和田 幸一) 神戸松蔭女子学院大学, 文学部, 助教授 (20309438)
来田 享子 愛知学泉大学, コミュニティー政策学部, 助教授 (40350946)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2005年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2004年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 21世紀のオリンピズム / 20世紀のオリンピズム / スポーツへの恩返し / クーベルタンのオリンピズム / 21世紀 / オリンピズム / クーベルタン / ISHPES / オリンピック / オリンピック休戦 / オリンピック博物館 / オリンピア |
研究概要 |
2ヵ年の研究計両にもとづき、文献・史料の収集、研究論文の作成、IOA調査旅行、オリンピズム概念の研究協議を遂行したことにより、「21世紀のオリンピズム」という概念が、将来のわが国ならびに世界の個人と社会に対して、スポーツをより人間的なものとするための包括的かつ集中的な改革推進に果たすべき重要な求心的役割を担う可能性、とりわけ現代のグローバリゼーションの中核となっている西欧中心の価値観を克服するための新たなる価値観の形成にとって「21世紀のオリンピズム」のスポーツ改革と教育改革への有効性を確認することができた。 1.ピエール・ド・クーベルタンのオリンピズムはひとつの思想として20世紀のスポーツの変容・発展に求心的役割をはたし、20世紀を通して多様な価値観を包摂しつつ変容され展開されて現代に至っていることが確認できた。これは「20世紀のオリンピズム」と言えるものである。 2.オリンピズムの創案者クーベルタンは、その該博な人文学的知見に基づき、20世紀の人間と世界を展望し、教育ならびに体育の全面的改革を可能にするようなスポーツという身体文化の統合概念の育成・確立を追求していた事実が確認できた。このことは「21世紀のオリンピズム」を構築する上できわめて示唆的と言える。 3.「20世紀のオリンピズム」は西欧中心の文明観に基づくスポーツの世界的拡大を実現したが、今日までこれに代わるような人類平等の価値観に基づく文化としてのスポーツの概念は見出されていないことが確認できた。「21世紀のオリンピズム」は異なる文明、異なる性、異なる地域を包括する総合的文化価値の融合と成長発展を目指すことにおいて他に類を見ない平等性を有すると言える。 4.西欧中心の文明観に基づくスポーツの展開は、スポーツを人間の機械化へと絶え間なく駆り立ててきたことにより、スポーツから多くの合理的利益ならびに多様な恩恵を得ているにもかかわらず、上記2.に見られるようなスポーツ自体を育てる配慮が欠けていることが確認できた。これは言わば「スボーツヘの恩返し」という思想の欠如であると言える。 21世紀のオリンピズム」は上記1.〜4.から、少なくとも次の3点を課題とすべきであること。(1)21世紀の文化としてのスポーツの教養を発展させるようなスポーツの批判者でなければならないこと。(2)21世紀の制度としてのスポーツの国際法の確立のために、IOCと各IFならびに各国NOCはスポーツの文化的構築する一般意志の形成を使命とすべきこと。(3)21世紀の職業としてのスポーツの倫理の確立のために、世界標準としてのスポーツ専門職の教育学を確立すべきこと。
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