研究概要 |
1.スキー操作の制作: マルチボディシステムでモデル化したスキーヤを用いて「可視化スキー操作」を制作し,その結果より,スキー操作を「スキーヤ重心の相対変位」と「スキーヤからスキー板に作用する力とモーメント」で評価する方法(得られたデータを「定量化スキー操作」と呼ぶ)を提案した.「定量化スキー操作」の評価には,「スキー操作に起因するモーメント」と「スキーブーツの変形と作用モーメントの関係」を必要とするので,多くのスキー操作実験を行い,それらを求めた.次に,実際の雪面上におけるスキー操作(ビデオ画像)を参考にして,コンピュータグラフィックスにより「可視化スキー操作」を制作し,提案した評価法を用いて「定量化スキー操作」を求めた.多くの「定量化スキー操作」を考察した結果、改良すべき点は多いが、提案した「定量化スキー操作」評価は有益であるとの結論が得られた.また,今後改良すべき点についても考察を行った. 2.スキーターンへの応用: 「定量化スキー操作」で求めた,スキーヤの左右の足から左右1のスキー板に別々に作用する力とモーメントを「一本のスキー板を用いるスキーターンのシミュレーション法」に応用し,スキーターンのシミュレーションを行った.その結果,適切な「定量化スキー操作」を用いれば,「二本のスキー板を用いるスキーターンのシミュレーション」が可能なことが明らかになった. 3.その他の研究成果: これまでの研究では水平面上での滑走を仮定しているので,斜面の影響についても検討したその結果,斜面上の滑走では斜面の角度が増すとともに,スキーヤの重力に起因する曲げモーメントの影響が大きくなり,スキーヤの姿勢をより前傾にすることが必要との結論が得られた.また,スキーターンシミュレーション結果を考慮したスキー板の設計に,感度解析法を用いれば,効率良くスキー板を設計し得ることを明らかにした.
|