研究概要 |
本研究は,地域在住高齢者の機能的自立と健康づくりを支援するためにITを導入した運動方法システムの構築を目指すことが目標であった。施設または集中型運動方法としては,これまでにwell-rounded exerciseおよびresistance exerciseの機器として油圧マシンを改良し,筋力,筋パワーを瞬時に測定し,評価できるシステムを開発した。特に地域に居住しているが介護保険を利用する虚弱高齢者においての体力評価または運動効果の評価までを可能にするシステムができ有効なものとみられた。加速度形付歩数計を用いて高齢者自身が日常生活における身体活動を評価し,入力後瞬時にフィードバックできるシステムを開発し,介入効果も検討できた。これは,タッチパネル式の入力を可能にしたものであり,集中,分散型に対応したものといえる。油圧マシン,加速度計付歩数計などの機器を使った体力,身体活動量の評価は実施でき,かつ,体力の評価ノルムを作成すること,エアロビクス,レジスタンンス,柔軟性,バランスなどの運動効果を検討し,メニューの作成まで完了できたが,これらツールとして体力評価から運動方法の具体的例示などのフィードバックまでに至るITを完全利用したシステム構築までには至らなかった。この点は早急に開発を目指したい。運動の継続や容易性という点からは公民館などを中心とした地域型運動プログラムと家庭型運動プログラムの併用が求められるものの,地域差や季節差に対する運動プログラムの対応や家庭型運動に加えて集団指導(地域型運動)をいかに取り入れていくかが継続と効果の課題とみられる
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