研究概要 |
本研究は,従来から行ってきた保育現場におけるPC活用に関する調査や幼児用ソフトウェアの評価に基づき,さらに幼児が扱いやすく楽しく遊べるソフトウェアを実現すること,および,ペン入力デバイスを活用した教員用ソフトウェアを試作し幼稚園の情報化を推進することを目的として実施した. 平成16年度は,幼児におけるパソコンを独占的に使用することの問題や入力機器の問題を解決するために,タッチパネル付プラズマディスプレイを利用した幼児用ソフトウェアの設計・試作・試用・観察を行った.最初に,幼稚園の先生からの意見や過去の観察から分かった問題点を検討し,設計指針の提案した.そして,これらの設計指針に基づき,ジャンケンを題材としたジャンケンゲーム,教室内のお片付けを題材としたお片付けゲーム,記憶力の育成を目的とした大砲ゲームを試作した.次に,試作したソフトウェアを実際の幼稚園の保育の時間に試用して頂き,提案した設計指針の有用性を確認した.また,教員用ソフトウェアとして手書き文字の電子メールを送受信できるソフトウェアを試作するために,幼児教育関係者らにペン入力タブレットを用いて既存の手書き電子メールを使用して頂き,幼稚園での電子メール利用の現状や使用感等に関するアンケートを行った.その結果,現時点では幼稚園教員間ではあまり電子メールを使用していないが,キーボードとペン入力タブレットを併用した環境で容易に利用できる電子メールがあれば今後利用したいなどの意見が得られた. 平成17年度は,平成16年度に行った観察結果を基に幼稚園の先生らと問題点を検討し,試作したソフトウェアの改良を行った.また,手書き電子メールに関するアンケート結果を基に,幼稚園の先生に適した手書き電子メールの設計を行った. 今後は改良した幼児用ソフトウェアの試用・観察を長期的に行うとともに,教員用手書き電子メールの試作・試用を行っていく予定である.
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