研究課題/領域番号 |
16500500
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生活科学一般
|
研究機関 | 福山市立女子短期大学 |
研究代表者 |
加納 三千子 福山市立女子短期大学, 生活学科, 教授 (40087929)
|
研究分担者 |
安川 悦子 福山市立女子短期大学, 学長 (90071034)
藤井 輝明 福山市立女子短期大学, 教授 (20141690)
西川 龍也 福山市立女子短期大学, 助教授 (90249582)
筒井 由紀子 福山市立女子短期大学, 教授 (90087924)
津島 順子 福山市立女子短期大学, 講師 (70321213)
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2005年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
|
キーワード | 高齢者の生活 / サステナビリティ / 生活時間調査 / 健康 / 労働 / コミュニケーション / コミュニティ / 生活の社会化 |
研究概要 |
典型的な地方工業都市である福山市に住む高齢者へのアンケート調査や面接調査、中国の南京市、およびアメリカ合衆国のレヴィットタウンの視察および面接調査を通して、高齢者の生活のサステナビリティの状況を、都市の居住構造と結びつけて分析し、次のような点を明らかにした。 1 高齢者の生活のサステナビリティの重要なキーワードは「健康」「仕事」「コミュニケーション」である。 2 「働くこと」と「コミュニケーション」は、高齢者の「健康」維持にとっての基本的な要因である。 3 福山市における高齢者の生活スタイルは、それぞれの居住環境(農業混在地域、市街中心地域、郊外新興住宅地域)によって異なり、生活のサステナビリティも異なる。農業混在地域の高齢者は健康な生活を営む人が多い。農作業に従事し、近所の人たちとのコミュニケーションの機会も多い。反対に、郊外の新興住宅地に住む高齢者は、日常生活において孤立して病気がちの人が多い。市街中心地域の高齢者は、比較的健康な生活を営んでいる。公共交通機関を利用して友人や知り合いとのコミュニケーションもしやすく、生活必需品のショッピングを行うことが容易であるからである。 5 郊外の新興住宅地に住む高齢者、とりわけ女性は、自家用車を除いて買い物や人に会うことができず、しかもここに住む女性の20パーセント弱しか運転免許証をもっていない。 6 中国の南京では、都会の家族生活は、ちょうど高度成長期の日本のように、家族の生活スタイルの「マイホーム」化がすすんでいて、高齢者は、かつての日本と同じような問題をかかえている。これにたいしてアメリカでは、高齢者は、パートタイム労働あるいはボランティア活動などの仕事をする傾向にあり、その意味で、高齢者の「ロダクティヴ・エイジング」が進んでいる。 7 高齢者が健康で人間的な生活を享受するには、高齢者の「仕事」と「コミュニケーション」が重要であると結論できる。したがって高齢者問題を考えるパラダイムは、「サクセスフル・エイジング」から「プロダクティヴ・エイジング」へとシフトする必要がある。 8 「プロダクティヴ・エイジング」と「生活の社会化(生活必需品へのアクセスしやすさも含めて)」が、キー概念であり、同時に「コミュニティ・ビジネス」は、高齢者の生活のサステナビリティを実現する重要な手がかりである。
|