研究概要 |
後発酵茶の中の好気的カビ付け茶の黒茶について風味成分の分析を行った。その結果、プアール茶は熟成することにより多くの茶成分が分解して減少していることが明らかとなった。熟成することによりカテキンは、(-)-EGCgが少なく、(-)-ECgが多くなっていた。アミノ酸は、1年目で総アミノ酸含量が1/3に減少していた。2年目には半減していた。他の後発酵茶と同じくイソロイシンやロイシン、プロリンの増加傾向であった。散茶と緊圧茶の各種黒茶の分析した結果は、カフェインは、散茶に多く、カテキンは黒茶全体少なかった。緊圧茶には、散茶に存在しない(-)-ガロカテキン-3-ガレートや(-)-カテキン-3-ガレートの存在が認められた。これは緊圧茶成型時の熱によってカテキンの熱分解が起こったためと考えられた。没食子酸は、プアール茶に多く含有していたが、他の黒茶には少なかった。可溶性成分は、プアール茶に多く存在していた。散茶と緊圧茶では、散茶の方に若干多く含まれていた。香気成分としては、テルペン化合物が散茶に多く存在していた。香気成分は100〜200成分を同定した。黒茶には、hexanoic acidやlinallol oxaideが多く存在していた。緊圧茶には、hexanoic aci,6,10-dimethyl-5,9-undecadien-2-one,dihydroactinidiolideが多く存在していた。散茶には、α-terpineol,linalool oxide,benzylalcohol,methylsalicylateが多く存在していた。 遣伝子解析として、中国の樹齢3200年の茶(香竹〓シャンツーチン)は、rbcLを用いた解析によりCamellia sinensis var.assamicaであることが明らかとなった。北タイのミヤンの製造している茶は、rbcLによる解析の結果、多くのチャはCamellia sinensis var.assamicaであったが、一部の地域のチャにCamellia taliensisのものが認められた。
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