研究概要 |
1.米飯の加水量の違いが,米飯から調製した粥の性状に与える影響について検討した。米飯の加水量は米の重量の1.3倍、1.5倍、1.7倍とし、それぞれから調製した粥を1.3倍粥、1.5倍粥、1.7倍粥とした。1.7倍粥では分離液の粘性は小さく,かたさ、破断応力も低い傾向にあり、粥飯粒の外観に崩れが目立った。1.3倍粥、1.5倍粥は1.7倍粥に比較してかたさ、破断応力、分離液の粘性は高い傾向にあり,外観は米粥に似ていた。20分の加熱で米粥に近い官能評価を示した。 2.米飯からの真空調理粥の調製法を検討した。米飯と水を真空包装し,100℃の熱湯で20分湯煎加熱後,10分間熱湯中に放置して蒸らせば,適度な物性と性状を示す米飯粥を調製できた。同様の方法で米から調整する場合には,湯煎加熱30分,蒸らし15分が必要であり,米飯使用により調製に要する時間を短縮できた。 3.冷凍保存する際の温度ならびに保存形態の違いが粥の性状に与える影響について検討した。冷凍温度は-20℃,-40℃とし,保存形態はシート状と塊,100gと200gとし,それぞれの条件を組み合わせて試料とした。最大氷結晶生成帯を通過する時間は,-20℃より-40℃,塊よりはシート状,200gよりは100gの方が短かった。ほとんどの冷凍保存粥が炊きたてよりかたく,付着性が大きくなった。-20℃より-40℃,塊よりはシート状,200gよりは100gの方がやわらかく,付着性が小さかった。-20℃保存の粥は小さな飯粒片が多くみられた。ほとんどの冷凍粥は保存前に比較して粒の形がなくなっており,さらさら感がないと評価されたが,-40℃,シート状,100gの条件に該当する粥は評価が高かった。
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