研究課題
基盤研究(C)
多くの研究者によって報告されている細胞レベルでの研究において用いられている食品成分からの抽出物の濃度は生理的な条件化における血中濃度より高い濃度を必要する場合が多い。生活習慣病の予防戦略として応用するためには有効濃度についての検討が必要である。本研究の目的は次の問題点((1)アロエ、茶、月見草およびタイショウガなどの食用植物抽出物のガン細胞に対する作用メカニズムの解明とそれぞれのメカニズムの違いを明確にする。(2)これらの作用メカニズムの違いを考慮し、複数抽出物の同時摂取することにより低濃度で有効となるシステムを検討する。)について明らかにすることである。平成16年度の研究においては、月見草抽出物は細胞内活性酸素を増加させることによりガン細胞のアポトーシスを起こすが、ガン細胞の増殖抑制には関与しないこと、また、月見草抽出物によるアポトーシスには細胞内ポリアミンが関与するが、細胞増殖には影響しないことを明らかにした。また、西洋ニンジンの葉抽出物がガン細胞の細胞周期をG2期で停止させることよりなど、アロエ、茶、月見草、タイショウガおよびニンジン葉抽出物はそれぞれ異なるメカニズムで抗ガン作用を示すことを明らかにした。また、平成17年度においては、食物繊維により腸管内で生成される酪酸の作用メカニズムについても調べた後、問題点(2)について作用メカニズムの異なる成分の同時投与の影響について検討した。その結果、緑茶抽出物は酪産と同時に添加することにより相乗的にヒト大腸ガン細胞の増殖を抑制すること、またカフェインは酪産と同時に添加することにより相加的にガン細胞の増殖を抑制することを明らかにした。今後さらに検討することが必要であるが、今回の研究により低濃度で有効なシステムの確立するための手がかりを得ることができた。
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