研究課題/領域番号 |
16500521
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
食生活学
|
研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
川野 因 東京農業大学, 応用生物科学部, 教授 (80277681)
|
研究分担者 |
樫村 修生 東京農業大学, 国際食料情報学部, 教授 (40161020)
田中 越郎 東京農業大学, 応用生物科学部, 教授 (80211366)
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2005年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2004年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
|
キーワード | 鉄摂取量 / 鉄補足 / ハプトグロビン / 溶血 / 鉄欠乏性貧血 / 栄養教育 / 食習慣の定着 / 食意識 / 栄養学 / 行動学 / 長距離選手 / スポーツ貧血 / 食育 / 陸上長距離選手 / ヘム鉄 / クエン酸鉄 / フェリチン / 鉄飽和率 / ヘモグロビン |
研究概要 |
平成16年度は大学男子陸上長距離選手41名を対象に選手の希望と5月期のヘモグロビン濃度をもとに鉄剤非摂取(N、13名)群と鉄剤摂取群に、さらに鉄剤摂取群はランダムにヘム鉄摂取(H、14名)群とクエン酸鉄摂取(C、14名)群に分けた。市販の鉄剤は5月期から7月期までの2ヶ月間に一日7mgの鉄量を摂取させ、調査期間は5月から9月までの4ヶ月間のうち、5月から7月が鉄剤摂取期、7月から9月期の2ヶ月間は鉄回復期とし、血液状態及び栄養素等摂取量を調査した。一日あたりの食事由来の鉄摂取量は5月期、7月期、9月期において、時期および鉄剤摂取の有無による有意な差は見られなかった。5月期の体内鉄状態は低ハプトグロビン濃度(hp)で示される「溶血」発現選手が41名中21名であり、すべての群で同様に出現していた。貧血発現者は5月期から7月期での期間中でそれぞれ4名、9月期に7名が観察された。H群とC群で9月期の増加が認められた。鉄飽和率はN群で5月期に比べ7月、9月に低下したものの、H群、C群では有意な変動が見られなかった。H群でhp濃度の増加が見られ、低hpを示す選手の割合も減少した。鉄補足なしのN群で貧血出現者が最も少なかったことから、体内鉄状態の良い選手は少ない鉄摂取を効果的に活用できる可能性が、一方、体内鉄状態が不足する者は鉄剤を使って摂取量を増やしても十分な赤血球合成ができない可能性が示唆された。 平成17年度は食教育に力点を置き、パフォーマンス向上に向けた選手の日常食生活の気づきを促すことを目的として、半年間に渡る栄養教育を実施した。期間は5月から9月までの4ヶ月間であり、月2回の講義による食・栄養知識の提供、月1回の食物摂取状況調査、月1回の間食や日曜日の食事の取り方調査を実施するとともに、栄養教育の結果評価には食・栄養テスト、食事摂取実態調査を行った。その中でも、5月の調査時に最も摂取不足が見られた牛乳・乳製品と果物、野菜類摂取に焦点を当てて、教育・指導した。5月期に比べ6月期、7月期と選手の栄養・食品に関する知識は増加し、牛乳・乳製品の選択頻度も増加した。しかし、9月期の食品選択状況は5月期にまで低下した。意識や習慣の定着には3ヶ月間という教育期間・時間が短い可能性が考えられた。
|