研究課題/領域番号 |
16500571
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
科学教育
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研究機関 | 千葉県立中央博物館 |
研究代表者 |
八木 令子 千葉県立中央博物館, 千葉県立中央博物館地学研究科, 上席研究員 (00250134)
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研究分担者 |
吉村 光敏 千葉県立中央博物館, 地学研究科, 上席研究員 (80250132)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,210千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 210千円)
2007年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2006年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2005年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 博物館 / 教育普及活動 / 展示 / 自然の相互作用 / 地形 / 地すべり斜面 / 嶺岡 地域 / 地形模型 / 科学教育 / 地図 / 自然環境 / 嶺岡山地 / 地形分類図 / 地すべり地形 / 講座・観察会 |
研究概要 |
本研究は、地すべり斜面の成り立ちと自然環境を題材に、博物館における「地形」を活用した教育普及活動や展示のための効果的な教材や指導法の開発を目指したものである。 房総半島南部の嶺岡地域は、標高200〜400m程度の丘陵〜小起伏山地であるが、中新世〜鮮新世保田層群の剪断帯など破砕された地層からなる斜面に地すべりが多数発生しており、山頂付近まで凹凸に富む緩やかな地形が続く。これらの斜面は堆積物で谷が埋まり、斜面上部に池が出現したり、水系が途切れたりして河谷の侵食が進まないなど、地すべり発生以降も非地すべり斜面とは異なった地形形成プロセスが継続的に卓越していると考えられる。また個々の地すべり地内部には、地すべりに伴って新たに形成された崖や凹地など、微地形レベルで変化に富んでおり、表層の地質や地下水分布などの土地条件もこれらに対応して変化が大きいことが予想される。このことは地すべりに伴う地表の擾乱が、生物の生活環境を破壊してしまう反面、動植物の生育や人間活動などにとって良好な多様性に富む環境を作りだしていると見ることもできる。実際これらの地域では、古くから棚田耕作が展開され、その土地保全機能や景観的価値が見直されている。 このように地すべりが発生している斜面は、さまざまなスケールの地形と、地質、水、動植物の分布、人間活動などが密接に関連して成り立っている地域であると考えられる。博物館の自然観察といった場で地学分野が果たすべき役割は、このような自然の相互作用の土台にある地形や地質の空間的分布や成り立ちを明らかにし、それらを視覚的に理解しやすい形で提示することである。そこで嶺岡地域の地すべり斜面の形態的特徴を、丸ごと手作りの地形模型によって示し、地質との関連、形成プロセス、土地利用形態などを、周辺の丘陵と比較しながら理解できるような教材を製作した。また地学常設展示や市民参加型の地学講座・観察会などの実践を通して、従来展示になりにくいとされた地形分野の効果的な展示資料としての地形模型の役割や見せ方を検討した。
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