研究概要 |
本研究は,Javaと数式処理ソフトウェアとの連携による自然科学シミュレーション教材の開発と,それらを用いてサーバ上にシステムを構築し,インターネット上で公開することにより,遠隔教育を実現することを目的とするものである。主な実施計画としては次のとおりである。 1.Webブラウザから実行可能な数式処理ソフトウェアを用いたシミュレーション教材の開発。 2.数式処理ソフトウェアとJavaとの連携によるシミュレーション教材の開発。 3.クライアントとして情報携帯端末まで視野に入れた遠隔教育システムシステムの開発 以下に,それぞれの内容について具体的に述べる。 1の教材の例として,数式処理ソフトウェアMapleのパッケージの一つである,Mapletsを用いた,グラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)を備えた教材を作成し,現在以下のサイト上で公開中である。(http://thomas.phys.cs.is.nagoya-u.ac.jp/~nakamura/Maple/App/) 2の教材の例として,GUIを備えたクライアントのソフトウェアはJava言語により開発し,MapleNetサーバとの通信により,数値演算,数式処理,さらには数式のMathML出力などを可能にするものを開発した。また,この類の教材の簡易的なものの作成を,実際の授業でも演習として学生に課し,興味を持って取り組む学生もいた。この時に用いた解説を次のWebサイトで公開している。http://thomas.phys.cs.is.nagoya-u.ac.jp/~nakamura/NetCom/?%BD%E0%C8%F7また,Java言語と数式処理ソフトウェアの連携によるシミュレーション教材の開発において,OpenMapleというAPIを応用するアプローチを提案した。Java言語からMapleの数式処理エンジンにアクセスし,計算を行わせることによりシミュレーションを実行することができる。 3のクライアントとして情報携帯端末まで視野に入れる場合,MapleとJSPプログラムとの連携により,最も容易に実現可能である。JSPプログラムを実行できる端末であれば利用可能であり,遠隔教育の裾野を広げるいみで,有効であると期待できる。
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