研究概要 |
本研究では,昨年までの液晶ペンタブレットを利用したペン習字支援システムの評価方法を改善すると共に,より手軽に利用できるように,PDAへのシステムの実装を行った.これによりペン習字支援システムの学習スタイルの幅が広がり,システムが普及しやすくなった.また本研究では,従来のシステムの学習過程が,ユーザの判断にかなり依存されていることで,学習に偏りがでることや次にどのように学習を進めればよいかわからないといった問題点を,通信講座の学習過程を参考にすることで改善した.また,PDAを用いて文字学習を行うにあたり,システムには動作や画面の表示に制限があるが,ユーザインタフェースのデザインを,ペーパープロトタインピングを用いて設計することである程度解決した.それにより,実際に本システムを使用して学習するときに,効率よく定量的に学習できるための一連の学習の流れを構築した.ここで用いられた字形の評価方法は,従来のシステムではできなかった,平仮名のような丸みのある文字の字形評価を可能にした.また,モニター実験を行ったことで,PDAではデバイス自体の慣れが必要であることや,年代によってシステムに要求することが異なること,動画再生が画順を覚えるためにもかなり有効的であることなどが明らかになった. また,昨年の電子情報通信学会技術研究報告に続いて,インタフェースシンポジウム2006において「ペン習字(筆記学習)支援システム-行書学習における動画手本の教育効果の検証-」というテーマで研究成果を発表した.
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