研究概要 |
1.手話の重要特徴の抽出法およびモデリング手法 (1)動画像からの特徴抽出法 手指にカラー指サックとリストバンドを取り付け,これらの重心位置をカラートラッキングし,動作軌跡の形状および手指形状を計測する手法を確立した.また,手指のオプティカルフロー画像に対する固有空間法によって,主成分のフローベクトルを重要特徴として抽出する手法を確立した.次に,動作のぶれや手指の隠蔽によって動作軌跡に生ずる高周波ノイズの問題に対し,P形フーリエ記述子により高周波を除去することで解決できることを明らかにした.また,比較的近い距離から広角レンズで学習者の上半身を撮影することで画像歪みが発生する問題に対し,形状関数を用いた矩形変形とその逆変換を組み合わせた歪み補正法を開発した. (2)特徴モデリングと自己情報量に基づく重要特徴抽出法 手話単語の大局的特徴および局所的特徴の音韻を組み合わせて,特徴をモデリングする手法を確立した.次に,手話単語650語を特徴モデルで表現し,各特徴の自己情報量に基づいて重要特徴を抽出する手法を提案した. 2.重要特徴の評価手法 熟練者の特徴に照らして学習者の特徴をチェックするための,文字列照合アルゴリズムを応用した特徴照合法を開発した.一般に,学習者手話の誤りには,重要な特徴が抜けている等の重大な誤りと,軽微な誤りがあるが,軽微な誤りを含む標準モデルとの照合法により重要特徴だけを評価する手法を提案した. 3.学習制御法 特徴の重要度と人の記憶過程を考慮して,短期記憶の制約下で抽出した重要特徴の学習とそのチャンキングとを繰り返し,学習対象のクラスタを段階的に拡張していく記憶方略を提案した.また実験により,本手法は手話単語の長期的な記憶定着において効果が認められた.
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