研究概要 |
(1)学習コンテンツの開発 携帯電話でスタンドアローン実行が可能な国語,英語,社会,数学,情報,理科などの教科の基本問題集(エクササイズ)を第1〜3次に分けて作成した(合計97教材).第3次の教材は3段階にレベル分けして作成し,学生がやさしい問題から段階的に取り組めるようにした.また,評価やアンケート結果に基づき,繰り返し・中断・再開・採点などの基本機能に加えて,解答の解説(略解)を参照できるようにした. (2)配信と評価 短大と聾学校高等部5校へ教材を試験的に3期に分けて配信し,延べ196名の聴覚障害学生に利用してもらった.この際,学生の得点,繰り返し利用回数及び総所要時間をデータベースに自動記録した.また,Webアンケートに回答してもらった.3度の配信評価を通しての主な結果は以下の通りである. a)多肢選択式で解答する教材は多くの学生が取り組んだが,記入式の教材の中には利用者数が少ないものがあった.原因として,入力が煩わしい,数学で筆記用具を必要とした等が考えられる. b)意図した通り,ほとんどの教材が10分以内に終了し,ちょっとした合間に取り組むことができた. c)アンケート結果から,7割近い学生が携帯電話による新しい学習スタイルを支持していた. (3)応用展開 a)携帯電話の赤外線で制御するロボット教材を開発し,学生に利用してもらった. b)パソコンとUSBで接続した携帯電話へ,アプリケーションを直接ダウンロードする方式を検討し,従来方式と同等の学習コンテンツが利用できることを確認した. c)携帯電話に搭載されている非接触ICチップ(Felica)を活用するアプリケーション開発を行い,Felicaのリーダー/ライターと携帯電話の間で,データ書き込み/読み出しが可能となった.この結果,パソコン学習とのシームレスな接続などへの応用に関する重要な足がかりが得られた.
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