研究課題/領域番号 |
16500636
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
科学社会学・科学技術史
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研究機関 | 富山大学 (2005) 高岡短期大学 (2004) |
研究代表者 |
中村 滝雄 富山大学, 芸術文化学部, 教授 (60198215)
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研究分担者 |
横田 勝 富山大学, 芸術文化学部, 教授 (10029225)
今淵 純子 富山大学, 芸術文化学部, 助手 (20310493)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2005年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 種子鋏 / 伝統的鍛冶技術 / ツケハガネ(鍛接) / 製作道具 / 熱処理 / 徒弟制度 / 鋏の製作道具 / 鋏の製作工程 / 鍛造 / 製作工程 / 鉄処理 |
研究概要 |
日本における刃物製品は貴重な鉄で製作されてきたと同時に、経済性、機能性や耐久性などが要求されることから、軟鋼に高炭素鋼をつけるツケハガネ(鍛接)といわれる伝統的な製作方法が用いられている。そのことによって鉄に柔軟性と強靭性を与え、優れた刃物製品を製作することができたのである。本研究で取り上げた種子鋏は、伝統的な鍛冶技能を有した刀鍛冶師が多く居住し、良質の砂鉄が豊富に産出していた種子島において製作が始められたツケハガネによる道具である。現在、種子島において全て手打ちで製作している牧瀬氏が製作する種子鋏は、伝統的な鍛冶技術で製作さているのが特徴的であり、優れた切れ味とともに品質も高く美しい形態をしている。本研究および調査結果の概要は次のとおりである。(1)種子鋏製作における作業環境や道具の調査を詳細に行って、牧瀬氏が製作した独特な道具と特徴を持った鋏の形態や機能の関係を考察した。(2)映像によって製作工程の記録を行うと同時に、伝統的なツケハガネ方法で製作された種子鋏の構造と機能的な特徴を解明した。(3)製品おける鋼の組織や硬度など顕微鏡観察によって材料工学的な解析を行うと同時に、他産地の製品と熱処理による硬さの比較検討を行った。その結果、種子鋏独自の性質を出現させていることが分かった。 これらは徒弟制度の中で牧瀬氏が勘と経験によって修得したものであり、伝承されてきた種子鋏製作技術や伝統的な鍛冶技術の保存という点で貴重な資料となった。また、種子島における砂鉄の調査や技術の伝承方法の推察も予備的に行った。
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