研究課題/領域番号 |
16510042
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線・化学物質影響科学
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
坂本 安 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (80178582)
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研究分担者 |
廣澤 成美 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (40327060)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | endocrine disrupter / phthalate esters / proteome analysis / transitional endoplasmic reticulum / golgi apparatus |
研究概要 |
プラスチックの可塑剤に用いられるフタル酸エチルヘキシルDEHP[Di-(2-ethylhexyl)phthalate]は、内分泌撹乱作用に関して懸念される化学物質の1つであるが、作用メカニズムの解明には至っていない。本研究は、親ラットに投与したDEHPが胎盤、母乳を通し胎児期、乳児期の仔ラットの臓器や生殖機能に及ぼす影響に関して蛋白化学的検討を行うことを目的として遂行した。妊娠ラットF344(♀)をコントロール群、妊娠期間投与群、授乳期間投与群の3群に分け、妊娠期間投与群には妊娠日齢2日目から出産前日(約21日)までに15回DEHP(0.59/kg/day)をゴマ油に混合し親ラットに経口投与した。授乳期間投与群には、出産2日目から離乳(約21日)までに17回DEHP(0.5g/kg/day)を同様に親ラットに投与した。コントロール群にはゴマ油のみを親ラットに経口投与した。投与終了後、親ラットから隔離して飼育を始め、4ヶ月後に仔ラットを解剖し臓器を摘出した。 実験の結果、それぞれの群から生まれた仔ラットの体重に有意な差は見られなかったが、妊娠期間投与群の親ラットから生まれた雄仔ラットの精巣重量はコントロール群と比較し有意な減少が見られた(P<0.05)。また、DEHPを投与した群の(妊娠期間、授乳期間)雄仔ラットの脳下垂体重量はコントロール群と比較し有意に増加した(P<0.05)。このことからDEHP投与は、雄仔ラットの精巣及び下垂体に何らかの影響を有していると推察されため、両組織から可溶性蛋白を抽出し、コントロール群、妊娠期間投与群、授乳期間投与群の三者間について、プロテオーム解析を行った。等電点電気泳動には、Immobiline DryStrip pI3-10NL 24cmを用い、二次元目には24.5×18cmゲルを用い、CBBにて染色を行った。脳下垂体について画像解析ソフトによる解析を行った結果、コントロール群に対して、それぞれの投与群の蛋白発現量に差が見られるスポット4種類が見出された。これらの蛋白スポットの増減は、DEHPの投与による内分泌系への影響を反映するものと考えられ、DEHPの内分泌撹乱作用のメカニズムの解明に役立つものと思われる。
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