研究概要 |
本研究ではコジェネレーションシステムのエンジン排出ガスを浄化する触媒開発を行った.特に天然ガスの主成分であるCH_4を還元剤として有効に利用できる脱硝触媒もしくは手法を見出すことを目的として,(1)有効なアルミナ触媒の探索,(2)アルミナ触媒への助触媒成分の探索,(3)炭化水素由来炭素種の有効利用,(4)触媒使用様式の検討,などを行った. メタンを還元剤としたNO選択接触還元反応(CH_4-SCR-NO)には微量のチタンを含む市販アルミナが有効だった.チタンの最適転化率は0.5wt%で,NO+O_2反応を促進しCH_4+O_2反応を抑制することがわかった. アルミナに添加する第2成分としてはNiが優れており,最適添加率は0.5wt%であった.この触媒を使い,実際のガスエンジン・コジェネシステムのガス組成(NO : CH4=1:4)に近づけて実験を行ったところ,C_Mは40%を示した. SCR-NO終了後のアルミナ表面には微量の炭素種が存在していた.そこでアルミナ表面に不可逆吸着炭素種を生成し,NOx+O_2を接触させたところN_2が生成した.不可逆吸着炭素種が存在するとSCR-NOにおけるN_2生成量が増加した.これらの結果からより,不可逆吸着炭素種は反応性が高いこと,不可逆吸着炭素種はNOx還元剤として非常に有効であること,NOx還元剤として有効な炭素種はグラファイト状炭素ではなくアモルファス状炭素であること,炭素表面は酸素によって活性化され,その反応性は飛躍的に向上することがわかった. 触媒使用様式の検討としてアルミナとコバルト添加アルミナを併用したところ,コバルト添加量にかかわらず,ガスの流れに対して上流側にアルミナを配置(アルミナ前置型)した方が,他の併用様式(アルミナ後置型,一様混合型)に比べ高活性であった.
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