研究課題/領域番号 |
16510057
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境技術・環境材料
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研究機関 | 東京海洋大学 |
研究代表者 |
村山 利幸 東京海洋大学, 海洋工学部, 教授 (50200308)
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研究分担者 |
関口 美保 東京海洋大学, 海洋工学部, 助教授 (00377079)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2006年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | ライダー / エアロゾル / リモートセンシング / SPM / 半導体レーザー |
研究概要 |
当初の目的ではチップ型の半導体レーザー(LD,波長:870nm)を用いたポータブルライダーを計画したが、LDからレーザービームの補償光学系だけでも口径10cm以上必要になることがわかりポータブルなシステムの製作がポータブルなシステムとすることが難しいことがわかった。従って、方針を変更し、LD励起型のAOM Q-switch型の比較的小型のレーザー(波長:532nm、繰り返し周波数:0.5-10kHz、パルスエネルギー:20mJ)を用いて大気環境中のエアロゾル計測用のライダーを開発することとした。波長に関しては、大気分子による散乱で校正が可能である、大きな検出口径と単一光子計測の可能な光電子増倍管が使える、豊富な経験があることなどから可視の532nmを用いることとした。空間走査可能なポータブルミー散乱ライダーを開発した。経緯台モードで駆動可能な望遠鏡の上にレーザーヘッドを固定し、ビームエクスパンダーで20倍にビーム径を拡大した後、副鏡の背面に取り付けたミラーなどにより望遠鏡の中央よりレーザービームを送光できるようにした。受信系には狭帯域干渉フィルター(中心波長:532.05nm、線幅:0.36nm)を用い、小型光電子増倍管で単一光子計測モードで光検出を行い、マルチチャンネルスケーラー(MCS)にてデータ記録を行なった。データ収集はMCSをGPIBボードを介しPCにて制御するプログラムをVisual Basicを用いて開発し行なった。さらにGate & Delay Generatorによりレーザーを外部トリガーで駆動し、プレトリガー機能を持たせて計測を行なった。試験的に仰角45度、繰り返し周波数lkHz、パルスパワー20mJ、視野角1mradで夜間に計測を行なった。その結果、1時間の積算において40km以上からの大気分子による後方散乱が観測できており、ラジオゾンデによる大気分子密度を基にしたプロファイルとも良く一致し、成層圏まで十分な観測ができることがわかった。近距離においても、下層の大気境界層を含む対流圏全体のエアロゾル分布を安定して得ることができた。H18年度にはジンバル型ミラーを用いた自動レーザービーム調整機構を付与し、視野角0.2mradでも距離約1kmからミー散乱ライダー観測が可能なことを確認した。望遠鏡のRS-232C経由でのPCによる制御を含めた統合的なデータ収集システムを開発中であり、自動連続運転を可能にし、大気中浮遊粒子状物質(SPM)の空間分布計測を行なえるシステムとしたい。
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