研究課題/領域番号 |
16510084
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ナノ材料・ナノバイオサイエンス
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
末 信一朗 福井大学, 工学研究科, 助教授 (90206376)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2005年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2004年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | DNAセンサ / サルモネラ属菌 / 交互積層法 / 高分子メディエータ / 電子伝達 / ナノデバイス / 分子配向 / サンドイッチハイブリダイゼーション |
研究概要 |
食品有害微生物であるサルモネラ属菌の高感度検出を目的として、ほぼ全てのサルモネラ属菌が保有する細菌性外膜タンパク質Invasinをコードしている塩基配列inv A領域を標的部位とし、標的DNAに特異的に結合するように設計した2本のプローブ(capture probe、reporter probe)を設計した。さらにTarget DNAとサンドイッチハイブリダイゼーションさせ、反対電荷を有するタンパクを電極上に規則正しく積み重ね電子伝達を効率よく行うことのできる交互積層法と組み合わせることにより、酵素反応に基づく電流シグナルを電気化学的に増幅させ、電流シグナルを効率よく検知することでTarget DNAを迅速かつ高感度に検知するDNAバイオセンシングシステムを構築した。ここでは、耐熱性L-プロリン脱水素酵素を用いたことで、プローブと標的DNAのハイブリダイゼーションを円滑に進めることができた。得られた最適条件下で、サンドイッチハイブリダイゼーションさせたTarget DNAを酵素反応に基づく電流応答の測定を行い、Target DNAの検出限界の検討を行ったところ電流応答量とTarget DNAの量の間には、良好な直線的な関係が得られた。サンドイッチハイブリダイゼーション法と交互積層法とを組み合わせた新規のDNAセンサの検出限界は、7.9x10^<-15>molすなわちフェムトmolオーダーの量であり、Target DNAを高感度に検知することが可能であった。本DNAセンシングシステムが微少量の検出対象遺伝子であるサルモネラ属菌由来遺伝子を高感度かつ定量的に検出することが可能であることを示した。また、ここで標識に用いた超好熱アーキア由来色素依存性L-プロリン脱水素酵素(L-ProDH)は、人工色素などを電子受容体として電極基盤上で反応が進行するが、この電子伝達には一定の方向性を有していることが解っており、次にこのL-ProDHを電極上にある一定の方向に制御して配向固定することでメディエータを介した電子伝達について電気化学的な応答と配向との相関や、タンパク質のコンフォメーションについての検討を行うために本酵素の4つのサブユニットのN末端にHis-tagを遺伝子工学的に付加させ、NTA-Ni電極上に配向固定を行うことができた。
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