研究課題/領域番号 |
16510153
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物分子科学
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
津田 正史 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (10261322)
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2004年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
|
キーワード | マクロリド / 渦鞭毛藻 / 殺細胞活性 / 抗腫瘍性 / 遺伝子プローブ / 迅速探索法 |
研究概要 |
マクロリド化合物Amphidinolide類は、海産扁形動物ヒラムシ(Amphiscolops sp.)の体内に共生する渦鞭毛藻Amphidinium sp.が生産するマクロリドであり、培養腫瘍細胞に対して強力な細胞毒性を示すことが知られている。これまでマクロリド生産能をもつAmphidinium sp.の検出・同定は、藻体抽出物を化学的に分析することにより行ってきた。しかし、Amphidinium sp.のマクロリド生産性が高くないことに加えてAmphidinium sp.自体の増殖速度が遅いことから、細胞を分離してから検出し、大量培養を行うまでに半年以上を要していた。そこで今回、目的とするAmphidinium sp.をより迅速に探索する方法論を検討した。 当研究室で保有するAmphidinium sp.5株について系統解析を行ったところ、マクロリドを生産する株としない株は、異なる系統に属することが分かった。そこで、これらの18S rDNA配列を比較し、マクロリド生産能をもつ株に特異的なBELAU2-BELAU9プローブ、それと同位置を増幅させ、生産能をもたない株に特異的なCARTE2-CARTE9プローブ、および両株に共通する部分を増幅させるBC2-BC9プローブの3種を設計し、各種分析法を用いて迅速探索法を検討した。 渦鞭毛藻Amphidinium sp.(Y-71株)の培養藻体のトルエン可溶画分より、新規マクロリドAmphidinolide C2を単離し、スペクトルデータの解析に基づいて化学構造を帰属した。一方、沖縄県恩納村真栄田で採取した無鳥類ヒラムシAmphiscolops sp.より、単細胞分離した渦鞭毛藻Amphidinium sp.Y-100株を大量培養し、得られた藻体のトルエン抽出物より、培養腫瘍細胞に対して強力な殺細胞活性を示す新規マクロリドAmphidinolide B4とB5を単離した。スペクトルデータの詳細な解析に基づいてこれらの化学構造を帰属した。 抗腫瘍性を示す26員環マクロリドAmphidinolide Hの結晶構造は、21位水酸基とエポキシ酸素との間で水素結合を形成した、全体として長方形な分子形状を有しており、同じく26員環マクロラクトン構造をもつAmphidinolide Bの結晶構造と極めて良く似た結晶構造であることが知られている。Amphidinolide Hの構造活性相関と活性発現の分子機構解明の一環として、本化合物の溶液中での安定配座を検討した。
|