研究課題/領域番号 |
16510154
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物分子科学
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
長谷川 典巳 山形大学, 理学部, 教授 (60095023)
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研究分担者 |
福田 宏太郎 山形大学, 理学部, 助教 (80361244)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
4,140千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 240千円)
2007年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2006年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | tRNAアイデンティティー / 古細菌 / Aeropyrum pernix K1 / アミノアシルtRNA合成酵素 / 進化 / トリプトファン1RNA / トリプトファニルー1RNA / 1RNAアイデンティティー / ヒスチジンtRNA / ヒスチジル-tRNA合成酵素 / 分子進化 / 非天然アミノ酸 / バリル-tRNA合成酵素 / バリンtRNA / チロシル-tRNA合成酵素 / チロシンtRNA / プロリル-tRNA合成酵素 / プロリンtRNA |
研究概要 |
超好熱好気性古細菌、Aeropyrum pernix K1由来のプロリル-tRNA 合成酵素(ProRSAP)、チロシル-tRNA 合成酵素(TyrRSAP)、ヒスチジル-tRNA合成酵素(HisRSAP)およびトリプトファニル-tRNA合成酵素(TrpRSAP)をクローニングし、大量発現をおこない、さまざまな精製操作の組み合わせで活性のあるARSの取得に成功した。これらの酵素を用いて、T7RNAポリメラーゼによる転写系で作製した各アミノ酸種tRNAの各種変異体を用いて認識部位の分子機構を研究した。その結果、ProRSAPは、アンチコドンG35、G36を強く認識し、大腸菌の結果と一致した。識別位塩基A73は、大腸菌同様認識に関わっていたが、大腸菌よりも認識の程度は弱かった。アクセプターステム領域については、G1-C72の認識が非常に強く、大腸菌とは決定的に違っており、生物界によりプロリンtRNAの認識が異なっていることを明らかにした。TyRSAPは、tRNAの構造が真性細菌と古細菌とでは大きく異なっているため、認識部位の違いが予想された。アンチコドンの認識については大腸菌と共通であったが、真性細菌と決定的に異なるのは、アクセプターステム領域のC1-G72であり、進化の過程で認識部位が大きく変化していた。HisRSAPは、アンチコドンの認識が非常に弱く、この特徴は生物界共通であった。また、識別位塩基の認識も弱かった。アクセプターステム領域にも認識部位は認められず、マイナス1Gのみが強い認識部位となっていた。これらの認識パターンは大腸菌と共通であったが、マイナス1Aをもつ変異体は野性型tRNAよりも活性が強く、この特徴はA.pernix特有のものであった。アンチコドンをナンセンスコドンに変換しても、ヒスチジンの受容活性は大きく保持されており、この特徴はヒスチジンtRNAに非天然アミノ酸を活性化できれば、mRNAのナンセンスコドン中に非天然アミノ酸を導入出来る可能性を示唆している。TrpRSAPの場合は、アンチコドン以外に識別位塩基、アクセプターステム末端の1番目と2番目の塩基対が認識されていた。これらの認識は、真正細菌の場合と類似しているが、全体としては真正細菌と真核生物の中間を示し、古細菌のtRNAとアミノアシル-tRNA合成酵素の分子進化を考える上で大変興味深い。
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