研究課題
基盤研究(C)
ヒト齊帯静脈内皮細胞(HUVEC)とヒト咽頭上皮がん細胞(KB)やヒト慢性骨髄性白血病細胞(K562)など数種の由来の異なるがん細胞を用いて増殖抑制試験を行い、HUVECに対して選択的に増殖抑制効果を示す化合物の探索法を用いて、海綿からブロモチロシン誘導体bastadin類を活性物質として単離した。Bastadin類は、由来の異なる他の細胞と比較してHUVECに対して20〜100倍強い選択的増殖抑制効果を示し、血管内皮増殖因子(VEGF)や繊維芽細胞増殖因子(b-FGF)によって誘導されるHUVECの遊走や管腔形成を阻害することも明らかになった。さらに、bastadin類は、マウス角膜を用いたin vivo血管新生モデルにおいて腹腔内投与で顕著な血管新生抑制効果を示し、human carcinoma A431を皮内移植したヌードマウスにおいても腹腔内投与で明らかな抗腫瘍効果を示した。一方、天然から単離した種々のbastadin類縁体や合成した各種誘導体の活性を比較しbastadin類の構造活性相関を検討した結果、大環状構造は活性に必須であり、エーテル架橋構造の様式も活性発現に重要であることが明らかになった。また、分子内のオキシム基は活性発現に必須であること、臭素原子置換様式も活性発現に重要であることが明らかになった。さらに、計算ソフトを用いてbastadin類のコンフォメーションを解析した結果、エーテル架橋構造の様式や分子内の臭素原子置換様式がコンフォメーションの安定化に大きく寄与していることが明らかとなり、種々の類縁体の活性と計算結果を比較検討した結果、このコンフォメーションの安定化が活性発現に重要であることが示唆された。
すべて 2006 2005 2004
すべて 雑誌論文 (30件)
BIOCHEM.BIOPHYS.RES.COMMUN. 342
ページ: 101-106
ANTI-CANCER DRUGS 17
ページ: 269-278
J.Am.Chem.Soc. 128
ページ: 3148-3149
Biochem.Biophys.Res.Commun. 342
J.Biol.Chem. 280
ページ: 6231-6237
HETEROCYCLES 65
ページ: 363-369
Tetrahedron 61
ページ: 8054-8058
BIOCHEMICAL PHARMACOLOGY 70
ページ: 1056-1065
ページ: 563-578
40006650944
ANTI-CANCER DRUGS 15
MOLECULAR PHARMACOLOGY 65
ページ: 1536-1542
Chem.Pharm.Bull. 52
ページ: 935-937
110003615689
Tetrahedron 60
ページ: 7053-7059
ANTICANCER RESEARCH 24
ページ: 2325-2330
生薬学雑誌 58
ページ: 251-257
110008732337