研究課題
基盤研究(C)
アトピー性皮膚炎およびかゆみを伴う慢性内科疾患などの治療に不可欠な抗かゆみ薬を開発する目的で,数種のかゆみモデルの確立を行い、かゆみのメカニズムの解明と天然資源からの新規かゆみ抑制物質の探索研究を以下の様に行った.1.健常皮膚に数種の起痒物質を投与し惹起する一過性のかゆみモデル7種、アトピー性皮膚炎および卵白リゾチーム(HEL)感作によるI型+IV型アレルギー併発マウスでの病態皮膚に惹起する慢性かゆみモデル3種を用いたアッセイ法の確立によるかゆみのメカニズムの解明を行った。その結果、ヒスタミン、PAFなど数種のケミカルメディエーターが健常および病態皮膚のどちらでもかゆみ惹起すること、その一方で、各物質の起痒閾値が、病態皮膚では健常皮膚に比べて有意に低い(かゆみ過敏)現象があることを明らかにした。さらに、病態皮膚での慢性かゆみには、健常皮膚での一過性かゆみには見られない中枢性の起痒メカニズムが存在することも見出した。2.HEL感作によるI型+IV型アレルギー併発マウスでは、かゆみ過敏現象と共に、末梢の静脈微小循環系の有意な血流量低下が観察されることを見出した。そこで、この末梢血流低下とかゆみ過敏との関連を解析する目的で、まず、血流低下のメカニズムを解析し、シクロオキシゲナーゼ(COX)-1、COX-2、PGI_2、TXA_2、エンドセリン-1、一酸化窒素などが相互に複雑に関与する血流量低下メカニズムを示した。3.各種のアッセイ法を用いてかゆみ抑制効果を有する天然資源を探索した。その結果、ツリフネソウ花弁、キンシバイ花弁より誘導したカルスおよびムクゲ白色花蕾の抗かゆみ活性を明らかにした。また、それぞれの活性物質の単離と活性メカニズムの解析を行い、これら天然物が新しい抗かゆみ薬に繋がる可能性を示した。
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