研究課題/領域番号 |
16510175
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物分子科学
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研究機関 | (財)サントリー生物有機科学研究所 |
研究代表者 |
堀川 学 (財)サントリー生物有機科学研究所, 研究員 (70270569)
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研究分担者 |
舘田 一博 東邦大学, 医学部, 講師 (20236558)
石井 良和 東邦大学, 医学部, 助手2 (90246695)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2004年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | クオラムセンシング / 緑膿菌 / Autoinducer / 分子モデリング / 分子プローブ / 自己誘導因子 / アポトーシス / テトラミン酸 / ホモセリンラクトン / 緑濃菌 / autoinducer / N-3-oxo-dodecanoyl-L-homoserine lactone |
研究概要 |
(1)緑膿菌のクオラムセンシング自己誘導因子(Autoinducer)のひとつであるN-3-oxododecanoyl-L-homoserine lactone (3-oxo-C_<12>-HSL)が結合する転写調整因子LasRのリガンド結合ドメインを、相同性があるTraRの三次元構造から分子モデリングより構築し、阻害剤のデザインを試みた。三次元モデルから予想される各種の阻害剤候補化合物を合成し、大腸菌で構築したLasR転写活性を指標にした評価系用いたところ、Phenylacetyl-L-HSL (Ph-C_2-HSL: IC_<50>=95μM) とPhenylbutanoyl-L-HSL (Ph-C_4-HSL: IC_<50>=76μM)で弱い阻害作用を示すことを見出した。また、既知の阻害作用を示す化合物と比較したところ、本アッセイ系では既存の阻害剤はアゴニスト活性が強いため阻害作用を示さなかったことから、Ph-C_2-HSLとPh-C_4-HSLは、これまでで最も有効な阻害剤である可能性が示唆された。 (2) 3-oxo-C_<12>-HSLのホスト細胞への直接的な作用である、表皮細胞におけるIL-8産生誘導とマクロファージにおけるアポトーシス誘導について、その作用機構を明らかにする過程で以下のような新たな知見を得ることができた。 ・IL-8産生誘導におけるリガンドの構造特性を明らかにした。 ・IL-8産生誘導を阻害する誘導体を見出した。 ・アポトーシス誘導におけるリガンドの構造特性を明らかにした ・アポトーシス誘導活性を阻害する誘導体を見出した。 ・阻害剤の構造的な特徴から、アポトーシス誘導における活性化機構を示唆することができた。 ・アポトーシス誘導活性を示す蛍光標識誘導体と示さない誘導体を見出し、リガンドの標的分子が細胞の中に存在することを示唆することができた。 また、3-oxo-C_<12>-HSLの代謝により生成するテトラミン酸誘導体の抗菌活性について、種々の誘導体を合成し調べた結果、テトラミン酸誘導体による抗菌活性は、膜障害的な作用であることを明らかにした。しかし、3-oxo-C_<12>-HSLとそのテトラミン酸誘導体のホスト細胞における作用と感染症の関係については、まだ今後の検討が必要である。
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