研究課題/領域番号 |
16510210
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ジェンダー
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研究機関 | (財)労働科学研究所 |
研究代表者 |
酒井 一博 (財)労働科学研究所, 研究部, 研究主幹 (90072660)
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研究分担者 |
小泉 智恵 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 社会復帰相談部, 協力研究員 (50392478)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2005年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2004年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | ジェンダー / 両立支援 / 家族的責任 / 夜勤交代勤務 / 看護師 / 健康障害 / 夫婦面接調査 / 退職者面接調査 |
研究概要 |
夫婦各々が仕事と家庭のバランスをどのように規定しているかを把握し、仕事と家庭の両立(仕事と家庭のスピルオーバー)に関係する労働環境、家庭環境、社会環境の整備方法を見出すために、夜勤交代勤務に従事し、かつ既婚の看護師夫婦10組、結婚あるいは出産を機に退職した看護師5名を対象に、看護の勤務活と家庭生活の両立に関して、半構造化面接を実施した。 ヒアリングの結果から、実際に両立をしている夫婦に対して両立するためのコツ、取り組み、工夫などを聞いたところ、「配偶者の理解と協力」が第一に挙げられ、家庭生活の充実がワークファミリー・バランスを保つ効果をもたらすと考えられる。また、バランス意識は仕事よりも家事状況に影響することが分かった。バランスを保つために、職場では「支援の運用のしやすさ」、「人員不足による家庭生活へのしわ寄せ解消」、「男性の育休取得の社会的認識の向上」が求められ、家庭では、「互いを思いやり、互いにできる家事をする」、「配偶者を含めた周りのサポートを上手に活用する」などが望まれる。 また、上司のジェンダー意識(管理的)は、仕事から家庭へのネガティブ・スピルオーバー、ストレスや身体疲労に影響を与えることから、上司は両立支援制度に対し積極的に協力する姿勢を示すことが、看護師自身と夫の仕事と家庭を両立させることにつながる。両立支援制度の浸透(制度的)は、職場の協力によるものが大きいと思われるが、普及しない場合、夫へのしわ寄せが多くなり、夫のストレスや家庭から仕事へのネガティブ・スピルオーバーに影響することが考えられた。今後は、夜勤交代勤務の編成方式と弾力的運用の可能性(職場組織的)に取り組んでいる職場について両立支援を検討し、看護師の離職率の低下、両立支援制度普及の阻害要因である看護職の人員不足が解消などの問題も踏まえて議論する必要がある。
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