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<プルーデンス>の系譜-<自己配慮する>自由な主体の形成について-

研究課題

研究課題/領域番号 16520006
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 哲学・倫理学
研究機関千葉大学

研究代表者

加茂 英臣  千葉大学, 教育学部, 教授 (20114267)

研究期間 (年度) 2004 – 2005
研究課題ステータス 完了 (2005年度)
配分額 *注記
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
キーワードプルーデンス / フロネーシス / 自由 / 快苦の計量術 / プロタゴラス / ギリシャ悲劇 / 自己保存 / 技術 / 快楽計算 / 自律 / 幸福 / 選択 / エゴイズム
研究概要

近代型<プルーデンス>は、人生を「幸福」を目指して、制作、企画できるものとして理解してきている。これに対して、アリストテレスの「フロネーシス」概念は、人生を、偶然性に晒されているもの(他でありうるもの)と把握し、行為の目的が行為の今において実現されている「プラクシス・エネルゲイア」として意味づけている。
「プルーデンス」は、ギリシャ語<フロネーシス>のラテン語訳である。前者を功利主義的近代型<プルーデンス>として,それに対してアリストテレス固有のものを<フロネーシス>として峻別して、「プルーデンスとフロネーシスの間」という論文を完成することができたことは、今回のテーマ研究にとって大変有意義なものであった。さらに<プルーデンス>の原型は、古代ギリシャにおいてはソフィストの技術的文明論まで遡ることができることを解明できた。
<プルーデンス>型は、社会契約とか交換の自生的構成、快苦の収支決算などの功利主義的主体の行為原理として援用されるのに対して、アリストテレスの<フロネーシス>概念は、ギリシャ悲劇に親和性を有している。たとえばオイディプス王の行為に見られるように、ひとの内面的統一、行為主体の利害ではなく、アイデンティティーを配慮する知性として理解すべきものとして明らかになった。そして、利害の主体の行動原理を<プルーデンス>と、自己のアイデンティティーの配慮原理としての<フロネーシス>の二重の襞の統一体として「行為の主体」を再構成する可能性が開けてきた。近々この成果を、著書『プルーデンスとフロネーシスの間』として著わす予定である(2007年3月)。
この研究の意義を確かなものとして仕上げる過程で、16年度〜17年度を通じ、スコットランド啓蒙哲学研究の専門家ロビン・ダウニー氏との議論、検討がさまざまなヒントを提供してくれた。同時にブリティッシュ・ライブラリー、ベルリンとライプツィッヒのそれぞれの国立図書館の蔵書と資料そしてそこでの作業環境がなければ、当研究は困難なものとなっていたことは間違いない。

報告書

(3件)
  • 2005 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 2004 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2007 2006 2004

すべて 雑誌論文 (3件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] プルーデンスとフロネーシスの間2006

    • 著者名/発表者名
      加茂英臣
    • 雑誌名

      千葉大学教育学部紀要 第54巻

      ページ: 193-202

    • NAID

      110004813547

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2005 実績報告書 2005 研究成果報告書概要
  • [雑誌論文] Between Prudence and Phronesis2006

    • 雑誌名

      Bulletin of the Faculty of Education, Chiba University Vol.54

      ページ: 193-202

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2005 研究成果報告書概要
  • [雑誌論文] 仮言命法とダス・マン -プルーデンス(フロネーシス)の系譜-2004

    • 著者名/発表者名
      加茂 英臣
    • 雑誌名

      千葉大学教育学部研究紀要 第52巻

      ページ: 179-193

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [図書] プルーデンスとフロネーシスの間(予定)2007

    • 著者名/発表者名
      加茂英臣
    • 総ページ数
      250
    • 出版者
      高文堂(予定)
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2005 研究成果報告書概要
  • [図書] プルーデンスとフロネーシスの間2006

    • 著者名/発表者名
      加茂 英臣
    • 総ページ数
      250
    • 出版者
      高文堂(予定)
    • 関連する報告書
      2005 実績報告書

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公開日: 2004-04-01   更新日: 2016-04-21  

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