研究課題/領域番号 |
16520007
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
哲学・倫理学
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
高橋 久一郎 千葉大学, 文学部, 教授 (60197134)
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2006
|
研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
|
配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2006年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
|
キーワード | エネルゲイアenergeia / 性向hexis / 表象representation / 記憶memory / 感情emotion / 中庸moderation / 意図intention / 規範性normativity / エネルゲイア energeia / 性向 hexis / 表象 representation / 記憶 memory / 感情 emotion / 中庸 moderation / 意図 intention / 規範性 normativity / 本質 essence / 機能 function / 規範性 nornativity / 合理性 rationality / 形而上学 metaphysics / 付随性 supervenience / エネルゲイア / 意図的行為 / 心の哲学 / 倫理学 / 責任 / 教育 / 性向 / 宇宙論的目的論 |
研究概要 |
本研究は、二度にわたる科学研究費補助金に基づく「エネルゲイア」概念の「行為論」「心の哲学」における意義の研究を承けて、宇宙論・目的論的場面でのエネルゲイアの「形而上学」における意義を検討するものとして企図されたが、その前段階としての、「感覚」というエネルゲイアと「思惟」というエネルゲイアの狭間にある広い意味での「表象」、なかでも「感情」、そして行為において「徳性」の問題として語られる「性向」の存在論(形而上学)的意義を検討することになった。 前段階としての「性向」を改めて検討することになった理由は、アリストテレスの「エネルゲイア」概念は、それによって何ごとかを説明するための概念というよりも、説明を「そこで打ち切る」ための概念枠組みといったところがあることにある。言い換えれば、ある意味ではすでに何度か指摘したことだが、それぞれのものがそのエネルゲイアに辿りつくことが「変化」ではなく、当のものの「固有のあり方」のいわば「回復」として構想されているため、「エネルゲイア」についての実質的な議論は「性向」の成立を論ずる中でなされていることである。 今回検討した記憶・感情・中庸としての徳性についてのアリストテレスの議論は、現代的な言い方をすれば、その「自然科学的」基盤について綿密に確認した上で、自然科学的な法則性とは必ずしも相性のよくはない「規範性」について、広い意味での「自然主義的」位置づけを何とか試みようとしているということになる。 今回踏み込まなかった宇宙論・目的論的場面におけるエネルゲイア論は、性向論を前提として、ある意味で、まさに変化のない場面でのエネルゲイアが問題となっている。この領域でのエネルゲイア概念の「形而上学」的な意義の検討については、製成19年度からの「アリストテレスの「エネルゲイア」概念の形而上学における現代的意義の研究II」で行う予定である。
|