研究課題/領域番号 |
16520073
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
美学・美術史
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
佐々木 健一 日本大学, 文理学部, 教授 (80011328)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | アヴァンギャルド / 新しさ / 独創性 / 崇高 / 複製 / 優美 / エロティック / リズム / 美学 / 基礎概念 / エロチック / 物語 / アヴァン・ギャルド / ジャンル / 感情 / 感性・感受性 |
研究概要 |
実績報告書には、次の7概念についての論考を収録する。 「アヴァン・ギャルド」の前提には進歩の歴史観と、藝術を文化の核とみる思想がある。その運動の標榜した「新しさ」の要求は商業主義と結びつき、メティエの後退を伴って藝術の形態を激変させ、藝術の再定義の問題を提起した。 「新しさ/独創性」--新しさは知覚印象の問題であり、独創性はその新しさに関する価値判断であって、西洋近代の概念である。しかし、モデルニテの概念とともに、単なる新しさと流行、さらにセンセーションを積極的に強調する思想が台頭して今日に至っている。 「崇高」はレトリックに由来し、霊感の効果を指した。近代に蘇って基本的美的範疇の1つとなり、強大なものの迫力を指した。それが20世紀後半に復活したのは、これを脱感性化し、アヴァンギャルド的な批判的活動をさす名称としたからである。 「物語」と呼ばれるものには、語り、テクスト、語られている対象の三者がある。その最も基本的な特徴は、2つの出来事を因果関係において結びつけることで、解釈もしくは構成の契機をなす。そこにこの概念の現代的意義がある。 「複製」とは藝術品の複数化であり、オリジナルのあるなしで2種類を区別する。工業技術の発達とともに複製は重要性を増し、シミュラークルと呼ばれる質料性を欠いた信号としての複製が広く流通し、藝術体験のあり方を大きく変えている。 「優美/エロチック」--近代には特に動きの美と見なされてきた「優美」だが、本来は生命の美であり、エロチックなものと重なり合う。このような視点に立つことで、創造活動を生命と文明の基礎の上に捉えることが可能になる。 「リズム」とは動的な現象の示す秩序ある躍動感であり、力動的な生気づけの原理である。19世紀には音楽の精髄とさえ見られたが、20世紀音楽において解体し、その重要性はダンスやスポーツのような身体運動の領域において強調されるようになる。
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