研究課題
基盤研究(C)
欧米各地の図書館から文献を取り寄せる作業を継続しつつ、写本の現地調査をロンドン(大英図書館)、アテネ(ギリシア国立図書館)、テサロニキ(総主教座附属教父学研究所)、イスタンブール(総主教座図書館)、ローマ(ヴァティカン図書館)で行った。典礼用福音書写本(レクショナリー)の挿絵とテキスト、祭日の関係を検討し、また写本後半に含まれる聖者暦をデータベース化した。具体的な成果としては、パリ写本Cod.Paris.Coislingr.31力宝、ビザンティン帝国の首都コンスタンティノポリスの聖ディナミス聖堂のために制作されたことを発見した。聖ディナミス聖堂は現存せず、いつまで活動が行われたのか不明であったが、この発見によって11/12世紀まで活動が存続したことが確実となった。またアトス山イヴィロン修道院Cod.1が、コンスタンティノポリスのカルコプラティア地区、聖母聖堂に附属する聖ヤコボ礼拝堂のために制作されたことを明らかにした。本写本の挿絵における図像学的特異性が、聖ヤコボ礼拝堂のためであるという事実によって説明された。聖者暦の分析によって、人像装飾を含まない写本であっても、リセンションがある程度推定できることが確実となった。しかし写本伝播の系統を確立するためには、なおデータの収集が必要であり、今後も作業を継続しなければならない。もっとも豪華な挿絵を有するアトス山ディオニシウ修道院Cod.587については、英文でモノグラフをほぼ完成し、目下図版の収集作業中である。
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