研究課題/領域番号 |
16520120
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本文学
|
研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
山本 卓 関西大学, 文学部, 教授 (60230562)
|
研究分担者 |
高橋 圭一 大阪大谷大学, 文学部, 教授 (90188003)
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2006
|
研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
|
配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2006年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
キーワード | 実録 / 実録体小説 / 近世小説 / 写本(書き本) / 中村幸彦文庫 / 日本人の歴史館 / 歴史認識 / 日本人の歴史観 / 近世文学 / 写本 / 講釈 / 噂話 / 情報 / 近世史 |
研究概要 |
平成16年度から平成18年度にかけて、国立国会図書館・国立公文書館・国文学研究資料館・関西大学図書館(中村幸彦文庫)所蔵の実録体小説の調査を行った。国文学研究資料館所蔵の和本については平成17年度までにすべてを終えたので、平成18年度は、矢口丹波文庫の調査も加えた。また、調査を終えた関西大学中村文庫所蔵分は報告書(冊子体)に成果を掲載する。これから本格的に全国に散在する実録体小説を網羅したデータベース作りに参加・協力してもらう人たちへ、サンプルを提供するためのものである。 このようにして構築してきた実録体小説データベースを、WEB上で発信公開するため、データを整備し、サーバーコンピューターを設置して、本村康哲氏により必要なプログラムソフトを開発していただいた。アドレス「jdb.yt.let.kansai-u.ac.jp」において、まもなく、日本国内にとどまらず世界に向けて公開・発信予定である。今回の調査研究は、本格的なデータベース構築に向けた、パイロット的なものである。今後は、さらに調査対象を拡大したデータベース作成が望まれる。 これらの研究調査により、一般に出版全勢の時代と思われている日本の近世において、実録体小説というジャンルの文学が、実は写本(書き本)というメディアで広範に享受されてきた実態が明らかになってきた。江戸時代の一般の人士の強い興味関心を如実に示しているのが、これらの実録体小説の転化生長の種々相である。実録体小説の目録(章題)を一覧すれば、その変化の様相を大よそ概観できるのである。日本人の常識としての歴史の形成過程を、いささかなりとも掘り起こし、新たな光をあてることに貢献する道が開けたと考えられる。
|