研究課題
基盤研究(C)
1792年のThe Lady's Magazine and Repository of Entertaining Knowledgeの創刊に始まるアメリカ女性大衆雑誌は、1800年には約200誌程度の雑誌が刊行されて隆盛を極める。世紀末の大衆消費社会において、雑誌という媒体は売り上げ競争下に置かれる商品となっていた。本研究は、各雑誌が詩や散文という文学作品に力を入れることを購買者数獲得の手段としたことに注目し、その掲載作品を考察対象とした。Godey's Magazine(1830-98)の後に勢力をもったThe Ladies' Home Journalをとりあげ、そこに掲載された小説作品を分析した。1883年12月の創刊時に編集長を務めたLouisa Knappに代わり、1890年1月号から1920年1月号まではEdward Bokがその役につく。編集者として絶大な力をふるった彼は、広告を含めた同誌の細部にまで影響力を及ぼす。彼の引退後のThe Ladies' Home Journalは、白人中産階級の女性読者にたいする啓蒙的な雑誌から、大衆消費社会のニーズに応える内容を発信するものへと大きく変貌をとげる。本研究では、Bokの時代の小説作品の分析に焦点をあてた。Patricia Okkerは、Social Stories : The Magazine Novel in Nineteenth-Century America(2003)において、雑誌掲載小説の連載という形態のもつ特異性を指摘する。本研究においてThe Ladies' Home Journal掲載の連載小説を評価することにより、オッカーの指摘する雑誌掲載作品の性質の一部分を理解した。著書という形態で発表される文学作品とそれらを比較して評価するのではなく、別の基準をもつ作品群として読まれる必要性を確認した。
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すべて 雑誌論文 (7件)
東北英文学会大会Proceedings 第61回大会
ページ: 53-60
120005461075
平成16年度~17年度科学研究費補助金(基盤研究(C))研究成果報告書(研究代表者 : 星野勝利。16520129)
ページ: 47-55
120006681236
ページ: 56-67
Report of Research Project, Grant-in-Aid for Scientific Research (C) (Head Investigator : Katsutoshi, HOSHINO,2004-2005)(In Japanese) 16520129
Ibid(In Japanese)
言語とコミュニケーション:三浦勲夫教授退職記念論文集
ページ: 203-229
東北英文学会大会Proceedings第59回大会
ページ: 77-83