研究課題/領域番号 |
16520132
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ヨーロッパ語系文学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
田村 毅 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (90011379)
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研究分担者 |
塩川 徹也 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (00109050)
竹内 修一 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助手 (40345244)
吉村 和明 上智大学, 文学部, 教授 (30201049)
荒木 善太 青山学院大学, 文学部, 助教授 (70286219)
市川 裕史 津田塾大学, 学芸学部, 専任講師 (30297113)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | フランス18・19世紀文芸 / 新古典主義 / ロマン主義 / パンテオン / マドレーヌ寺院 / ダヴィッド / ネルヴァル / ゾラ / フランス文学 / 芸術思潮 / 汎神論的神秘主義思想 / 絵画建築と文学の境界 / 都市空間と記念建築物 / 聖域の表象 |
研究概要 |
本研究「聖域の表象と文学表現-新古典主義からロマン主義へ」は、18世紀中頃から19世紀前半のフランス、とくにパリを特徴づけるパンテオンやマドレーヌ寺院等の新古典主義的記念構築物と、その内部空間を形成する絵画・彫刻のモチーフ、あるいは外部空間の庭園、地理的な配置に着目し、「聖域(聖なる空間)」がいかに表象され、それがいかなる社会・宗教思想を具現するかを探求しつつ、文学思想表現(テクスト)との照応関係を読み解くことによって、同時代の精神的空間を彫琢することを主眼としたものである。その成果の一部を示す本報告書においては、まずはパリのパンテオンがいかなる発想のもとで建築され、芸術家を奉じる偉人廟としての機能を果たすにいたったかを考察した(荒木善太)。もう一つの代表的建築物であるマドレーヌ寺院の天井画に、画家と文学者の交流による「ロマン派の夢と人類の叙事詩」を読み解いた(田村毅)。絵画の領域では、ボードレールの美術批評を手がかりに、画家ダヴィッド「暗殺されたマラー」とドーミエ「トランスナノン街」の対比によって、新古典主義から写実主義への移行が、表象される理想と現実との相克として理解されることを示した(吉村和明)。若手研究者の参加を得てさらに視野を拡げ、ワットー、ノディエ、ネルヴァル、ボードレールに描かれる理想の楽園としての「シテール島」を検討し(安岡(田口)亜紀)、ユートピア的田園としてゾラの作中に描かれる19世紀末「パリ郊外」の位置付け(田中琢三)、そして現代作家ル・クレジオの描く個人的自我を超越した「コスモス」の表象が、新たなる「空間の聖化」であることを示した(鈴木雅生)。建築・絵画・文学の広範囲な領域にわたる参考文献の一部を選び抜き、巻末に記載した(鈴木雅生)。
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