研究課題/領域番号 |
16520164
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ヨーロッパ語系文学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
田中 雄次 熊本大学, 文学部, 教授 (60040490)
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研究分担者 |
加藤 幹郎 京都大学, 大学院・人間環境学研究科, 助教授 (60185874)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2005年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2004年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | <パルファメト協定> / ウーファ / ドイツ国民映画 / ハリウッド / E.ルビチュ / F.ラング / "メトロポリス" / F.W.ムルナウ / E.ルビッチ / E.ポマー / E.ヤニングス / F.ムルナウ / パルファメト協定 / 表現主義 / 新即物映画 / 反ユダヤ人政策 / ブリッツ・ラング / ゲオルク・パープスト / フリードリヒ・ムルナウ |
研究概要 |
研究代表者は、平成16年度と平成17年度にドイツのフランクフルト国立映画博物館とベルリン映画博物館において、<パルファメト協定>が締結されたワイマール映画中期に雑誌に発表された論文・エッセイの新聞記事の複写を行い、論文化の予備作業を行った。2年間の研究で明らかにした主な点は、ドイツ最大の映画会社ウーファ(Ufa)がアメリカの大手映画会社パラマウント(Paramount)とメトロ・ゴールドウィン・メイアー(Metro-Goldwyn-Meyer)との間に取り交わした<パルファメト協定>がどのような経緯で結ばれ、それがドイツの国民映画にどのような影響を及ぼしたかを解明することであった。その成果を研究代表者個人による研究論集『ワイマール映画研究序説』(熊本大学文学部社会学紀要、2006年)、および「ハリウッドの野望とドイツ国民映画の変容」(熊本大学社会文化研究4号、2006年)に発表した。それらの論考は、ハリウッドが脅威を覚えたワイマール初期のドイツ国民映画の名作『カリガリ博士』やE.ルビッチュの『パッション』・『カルメン』それにF.ラングの『ニーベルンゲン』・『メトロポリス』などを対象に分析することで、なぜドイツの映画関係者をハリウッド関係者が自国に招く必要を痛切に感じたのかを明らかにしたものである。 研究分担者は、平成16年度にイタリアのサイレント映画際に参加し、ワイマール映画に関する多くの収穫を得た。また、平成17年度には東京国立フィルムセンターおよびアテネフランセ文化センターにおいて、ワイマール映画とハリウッドの関係について調査研究を行い、今回の研究成果報告書にある「映画と亡命ドイツとアメリカ-その古典と現代-」としてまとめた。この論考は、ワイマール期の亡命作家、とりわけF.ラングの『メトロポリス』とF.W.ムルナウの『ファウスト』に関するものを取り扱い、亡命の背景とそのドイツ国民映画への影響を探ったものである。また分担者は、ワイマール映画の表現主義の影響を強く受けたヒッチコックに関する著書『ヒッチコック「裏窓」ミステリの映画学』(みすず書房、2005年)とこれまでの映画史を新たな視点から捉えなおした著書『映画の論理新しい映画史のために』(みすず書房、2005年)を公刊した。
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