• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

唐代における悲愁の文学

研究課題

研究課題/領域番号 16520200
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 各国文学・文学論
研究機関筑波大学

研究代表者

松本 肇  筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 教授 (40128814)

研究期間 (年度) 2004 – 2005
研究課題ステータス 完了 (2005年度)
配分額 *注記
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2005年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワード悲愁 / 快楽 / 悪意 / 反世界 / 廃墟 / 休息 / 病気 / 詩人
研究概要

本研究では、孟郊と賈島を例に、唐代の「悲愁の文学」の実態を明らかにした。研究成果は以下の通りである。
1、孟郊の文学
(1)孟郊は、賢者を処罰する詩を書いている。それは自己の正しさを証明する逆説的な方法であり、孟郊の自虐的な態度を表わしている。
(2)孟郊は、困窮を詠じる詩を書いている。そこには、悲愁を楽しむ態度が見られる。悲愁を快楽にまで高めたのが、孟郊の功績である。
(3)孟郊の文学は、悪意の文学という性質を持っている。孟郊は、幻想の中でも死を求めた。
(4)孟郊は、詩作によって反世界を創造した。それは、天に対する反逆行為である。反逆者には代償が求められる。孟郊が詩という牢獄に自己を閉じこめたのは、自己を処罰したのである。
2、賈島の文学
(1)賈島の詩には、たとえくじけても望みを捨てない、不屈の精神が表われている。
(2)賈島は、廃墟の美を詠じた詩を書いている。中唐期には、盛唐期には見られない新しい美意識が生まれた。廃墟の美を詠じるのも、そのような美意識の反映である。
(3)賈島には、病気を詠じた詩がある。病気は、中唐期の知識人のシンボルである。このような文化現象の背景には、「休息」への願望があった。
(4)賈島の詩には、微少な世界を詠じるものがある。それは、杜甫の影響を受けたのである。杜甫は、中唐文学の先駆者である。
3、孟郊と賈島
杜甫以後、詩を作ることに価値が認められるようになり、詩人として生きることが、知識人の目標となった。孟郊と賈島は、このような時代に生まれ、詩人としての人生を全うした。宋の蘇軾は、孟郊と賈島の文学を「郊寒島痩」と批評した。それは、彼らを非難したのではなく、彼らが世界を驚かす言葉の創造者であることを賛美したのである。

報告書

(3件)
  • 2005 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 2004 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] 賈島の文学2006

    • 著者名/発表者名
      松本 肇
    • 雑誌名

      文芸言語研究・文芸篇 第49巻

      ページ: 35-52

    • NAID

      120000840996

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2005 実績報告書 2005 研究成果報告書概要
  • [雑誌論文] The Literature of Jia-dao2006

    • 著者名/発表者名
      MATSUMOTO, HAJIME
    • 雑誌名

      STUDIES IN LANGUAGE AND LITERATURE Literature 49

      ページ: 35-52

    • NAID

      120000840996

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2005 研究成果報告書概要
  • [雑誌論文] 孟郊の文学2005

    • 著者名/発表者名
      松本 肇
    • 雑誌名

      文芸言語研究・文芸篇 第47巻

      ページ: 67-84

    • NAID

      120000840740

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2005 研究成果報告書概要 2004 実績報告書
  • [雑誌論文] The Literature of Meng-Jiao2005

    • 著者名/発表者名
      MATSUMOTO, HAJIME
    • 雑誌名

      STUDIES IN LANGUAGE AND LITERATURE Literature 47

      ページ: 67-84

    • NAID

      120000840740

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2005 研究成果報告書概要

URL: 

公開日: 2004-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi