研究課題/領域番号 |
16520204
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
各国文学・文学論
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
埋田 重夫 静岡大学, 人文学部, 教授 (20223604)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2004年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | 中国 / 唐代 / 白居易 / 詩人 / 詩想 / 閑適 / 住居表現 / 蘇生 / 独善 / 吏隠 / 唐代文人 / 自適 / 身心 / 中唐文学 / 閑適詩 / 自足 |
研究概要 |
白居易の閑適文学の理念は儒家的な独善の思想だけではなく、より多く老荘的な自足の思想に依拠している。本研究では、日常生活(衣食住行)を主要な題材にして「処世の理」や「人生の理」を説く膨大な閑適詩群を取り上げ、そこに展開される閑適の詩想や詩境について重点的な考察を加え、その詩人像の一端を解明することを目的にした。そして最終的には、彼における詩作と思索とがその人生および時代とどのように係わっていたのか、という問題にまで発展させ、自分なりに確認できた新たなる作家像と中唐文学像を提示することに努力した。 2004年度は白居易閑適文学研究の集大成を目指しつつ、併せて唐代閑適文学研究への足掛かりを構築することに専念した。この時期の研究の基本スタンスは、自分が今までに発表してきた諸論考を有機的に関係づけ、従前の研究史を踏まえてそれをさらに肉付けしていくというものである。当方が設定した白居易閑適文学の柱には【身体と姿勢】【衰老と疾病】などがあるが、2004年から2005年までの研究期間では【住居と家族】のテーマを専一に取り上げて、この分野について従前から発表してきた複数の論文のまとめを図った。2003年12月に刊行した論文「白居易における洛陽履道里邸の意義」を継承するものとして、2005年12月には「香山寺と白氏文集-閑適の完成」を執筆し、明くる2006年3月には「白居易における松と竹」を完成させた。これら一連の論考によって、白居易と閑適時空との交流を住居・家族・庭園・寺院という「場」から考察しようとする従来からの研究構想に対して、一定の成果を得ることができた。 今後に残された課題は、白居易以外の唐代詩人-例えば王維・杜甫・韋応物・陸亀蒙・方干・皮日休・斉己など-における閑適詩想・閑適詩材の分析と考察であるが、この点については白居易との比較研究を含めさらなる課題にしたいと思う。
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