研究課題/領域番号 |
16520234
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
言語学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
守屋 哲治 金沢大学, 教育学部, 助教授 (40220090)
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研究分担者 |
堀江 薫 東北大学, 高等教育開発推進センター, 教授 (70181526)
姜 奉植 岩手県立大学, 共通教育センター, 教授 (30305320)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 法助動詞 / 否定 / モダリティ / 文法化 / 継続相 / 副詞 / 対照言語学 / 言語類型論 / 日本語 / 韓国語 / 言語変化 / 否定辞 / 認知言語学 / 機能言語学 |
研究概要 |
本研究は、日本語と韓国語を中心に文法・語彙構造の歴史変化の方向性に関わる法則性を明らかにすることを目的としたが、主として法助動詞、否定、継続相の副詞に関して研究成果を挙げた。法助動詞については次の点が明らかになった: (1)英語および関連したヨーロッパの言語の法助動詞の発達ではdconticの意味からepistemicの意味が派生したと考えられているが、日本語の法助動詞にはそのような発達経路は当てはまらない。韓国語も日本語と同様である。 (2)英語と日本語や韓国語との発達経路の違いを生む要因は、法助動詞の元となる語の品詞的意味特徴に依存する。また、日本語と英語は表面的には異なる発達経路を辿るが、主観化などの共通の意味変化も観察される。このことは、文法化がいくつかの意味変化の複合したプロセスであることを示唆する。また、日本語と韓国語の並行性に関しては文化類型論的要因が関与している可能性を指摘した。 否定の発達に関しては、日韓対照を中心とした。韓国語の文否定辞が,Jespersen's Cycleに沿った発達をしていると考えられるのに対して、日本語は一貫して助動詞として動詞に後置されている。このような違いは韓国語の否定辞が語順の制約が緩い副詞起源であるのに対して、日本語の場合は語順の制約がきつい助動詞であることが原因と考えられる。Jespersen's Cycleのような機能的動機付けも、個別言語の要因、特に元となる語の範疇によって適用が制限されることを主張した。 継続相の副詞に関しては、英語stillと日本語「まだ」は意味的に類似しているが、意味拡張のパターンが異なることを指摘し、この違いは基本的意味の違いから由来すること、さらにそのような違いは当該の副詞だけに関与するのではなく、英語、日本語、韓国語、ドイツ語などの継続相の副詞には全体に当てはまる、一般性の高い法則であることを示した。
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