研究課題/領域番号 |
16520255
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
言語学
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研究機関 | 麗澤大学 |
研究代表者 |
滝浦 真人 麗澤大学, 外国語学部, 助教授 (90248998)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2006年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2005年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 敬語 / ポライトネス / 視点 / 距離 / ダイクシス / 方言敬語 / 日韓対照 / ほのめかし / 終助詞 / 語用論 / 日中対照 |
研究概要 |
本研究の成果を、当初掲げた目的と対応させる形で要約する。 (i)日本語敬語の用法について、語用論的観点に立った理論的枠組を整備すること。 敬語論の系譜を分ける最大の論点は、敬語の"使用"の側面を取り込むか否かである。この点を重視する<関係認識>の敬語論からは、次の2点が帰結として導かれる。 ・敬語とは言語的"ふるまい"であり、会話の場の人間関係認識を表現する手段である。 ・相対敬語としての口本語敬語は、話し手ではなく聞き手の位置に視点を移動させたときに見える人間関係を、話し手が引き取って表現するシステムである。 (a)日本の敬語論とBrown & Levinsonによるポライトネス理論との接続を図ること。 <関係認識>的な観点を採ることで、対人的な<距離>の理論としての「ポライトネス」の地平に敬語の問題を置くことができる。そこから、敬語は次のように再定義される。 ・敬語とは対人的<距離>を置く(ことで敬避的ポライトネスを表す)言語的手段である。 (b)聞き手を基準点とした<距離>の関係全体をとらえる語用論的枠組を確立すること。 久野によって展開された「視点と共感度」の理論を援用すると、敬語の意味機能を、聞き手に視点を置いたときの距離の関係として,一元的に記述し分けることができる。 (ii)視点と距離の語用論を日本語の諸方言および外国語に適用する可能性を探ること。 方言に関しては、特に"身内"のマーカーと考えられる「ハル敬語」をもつ近畿中央部の諸方言が興味深い。それらの体系は、遠隔化と近接化両方の形式をもち、標準語とは異なった<距離>の表現システムであると考えられる。外国語との対照に関しては、韓国語の敬語システムが示唆的である。現代韓国語ソウル方言では対者距離が二次元的に体系化されており、タテの距離とヨコの距離を使い分けるシステムであることになる。
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