研究課題/領域番号 |
16520267
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
言語学
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研究機関 | 大阪学院大学 |
研究代表者 |
笹間 史子 大阪学院大学, 情報学部, 助教授 (60330114)
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研究分担者 |
渡辺 己 香川大学, 経済学部, 教授 (30304570)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | クリティック / 接辞 / 北アメリカ先住民諸語 / 海岸ツィムシアン語 / スライアモン語 |
研究概要 |
本研究では、これまでヨーロッパの言語にかんしておこなわれることが多かったクリティックの研究を、それ以外の言語、とりわけ海岸ツィムシアン語とスライアモン語という二つの北アメリカ先住民諸語に焦点をあてることで、より通言語的な観点から捉え、その多様性を考察することをこころみた。 自立性が低く、隣接の語と音声的にまとまりをなすクリティックは、自立語や接辞といった要素との区別がしばしば問題とされる。本研究代表者・研究分担者は、研究期間内に、カナダ、ブリティッシュ・コロンビア州において、海岸ツィムシアン語とスライアモン語の現地調査をおこない、それぞれがすでに得ていたデータに加え、クリティックにかんするさらなるデータを収集し、当該言語におけるクリティックの性質、とりわけどのような認定基準により接辞との区別が可能であるかについて調べてきた。 その結果、クリティックにかんする先行研究でも提案されてきた、ホストの選択制限、不規則な形態音韻的変化の有無、明らかに接辞と認められる要素との位置関係といった基準にくわえ、複数重複・アスペクト重複の対象となるか、言いよどみを表す小詞が挿入できるかなどの基準を適用することにより、それぞれの言語のクリティックのほとんどについて認定がおこなえることを明らかにした。二つの言語には、いまだ少数の接辞かクリティックか判別の困難な形態素や、意味機能のはっきりしないクリティックの問題も残るが、本研究により、クリティックのみせる多様性の一端が明らかになってきたと考える。
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