研究課題/領域番号 |
16520271
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
言語学
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
江口 正 福岡大学, 人文学部, 教授 (20264707)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2006年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2004年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 形式名詞 / 形式副詞 / 取り立て詞 / 文法化 / 「次第」 / 「ぶん」 / 「ンジョー」 / 「モノカ」 / 非項空所関係節 / など・なんか・なんて / 「うち」 / 程度副詞 |
研究概要 |
1.形式名詞と取り立て詞の歴史的関係 本研究では非項空所関係節および関数的名詞について研究を進めてきたが、これらについての知見が、「どうして形式名詞が限定の取り立て詞になってきたか」という問題を解く鍵になるということを明らかにした。「ばかり(←はかり)」「だけ(←たけ)」「ほか」「ほど」「くらい」などの用法の歴史的変化を観察すると、これらの名詞は意味変化によって関数的名詞としての機能を持つようになり、その結果非項空所関係節構造をとることが可能になったと考えられる。この構造は遊離数量詞構文を構成することができるため格助詞を必要としなくなり、その結果、取り立て詞としての構造と結び付けられるという仮説を提出した。形式名詞が取り立て詞に直接変化していくのでなく、遊離数量詞構文を通して変化.するという仮説は従来の説よりも変化のパターンに対してよりエレガントな説明を与えることができることを示した。本研究においてこれまで扱ってきた形式名詞「分(ぶん)」や大分方言の取り立て詞「ンジョー」についての研究も統合し、一般的な文法変化のあり方を示して文法化研究のひとつの方向性を示す研究として提示した。 2.「モノカ」文の特質 「モノカ」を文末に持つ文の文法的・意味的性質について考察した。「早く来ないモノカ(希望)」「誰が来るモノカ(反語)」「これからどうしたモノカ(適当)」などの用法に見られる特殊な性質について検討し、「反応要求ができない文」を構成するという語用論的な制約を仮定すれば、これらの用法に共通して見られる性質を説明できることを示した。
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