研究課題/領域番号 |
16520284
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本語学
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研究機関 | 北星学園大学 |
研究代表者 |
高野 照司 北星学園大学, 文学部, 助教授 (00285503)
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研究分担者 |
太田 一郎 北星学園大学, 法文学部, 教授 (60203783)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2005年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2004年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 韻律 / 平坦化 / 社会音声学 / 言語変化 / 日本語 / 社会言語学 / 音声知覚 / 変異理論 / ピッチの平坦化 / 年齢差 |
研究概要 |
本研究では、現代の若者の間で広がりつつあるとされる日本語のピッチ平坦化現象について調査を行った。ピッチの平坦化が日本全国で進行しつっある「共通語化」の一側面であるという前提のもと、韻律上大きな隔たりのある北海道方言と鹿児島方言話者(それぞれ若年層・老年層の二グループ)を被験者にした大規模な実地調査を行った。また、従来の韻律研究では常識とされる単独語彙や単独文の読み上げタスクから得られる音声資料の限界を指摘し、話者の日常生活により近いレジスターの積極的使用を提言すると同時に、ニュース文の朗読音声や絵描写のナラティブなど複数のレジスターから当該変項の分析を試みた。さらには、社会音声学の理論的枠組みと音声合成を活用し、ピッチの平坦化を母語話者がどのように知覚するのかという当該変項の社会的意味(指標性)を探る知覚実験も試みた。 調査の結果、単独文の読み上げ、ニュース原稿の読み上げ、絵描写のナラティブなど三つのレジスターから得られた音声において、若年層話者と老年層話者の間に、ピッチの平坦化の証拠となるピッチの漸次的下降(declination)およびアクセント句ピッチの上昇などにおける統計学的有意差が確認された。また、音声合成を用いた「変装組み合わせテクニック」(Matched-guise technique)の使用により、母語話者は、同一話者の同一音声であっても平坦なピッチをより若い話者年齢と結びつけることが判明した。 これらの結果をとりまとめ、現在、報告書を英語で執筆中である。また、広く海外の研究者にも我々の研究成果を知ってもらうため、英語で論考を準備し、国際的な学術雑誌に投稿を予定している。
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