研究課題/領域番号 |
16520287
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本語学
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研究機関 | 清泉女子大学 |
研究代表者 |
今野 真二 清泉女子大学, 言語教育研究所, 教授 (50186871)
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研究分担者 |
近藤 尚子 (今野 尚子) 文化女子大学, 造形学部, 教授 (70318591)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2006年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
2005年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 節用集饅頭屋本 / 室町時代語 / データベース / 日本語学 / 表記 / 語彙 |
研究概要 |
節用集饅頭屋本は古本節用集の中では数少ない版本である。早くから影印刊行されていたこともあり、「饅頭屋本」として引用されることも多いが、複数の版が存在し、その間に多くの改変があることに言及するものは少なく、改変の状況も明らかにされているとは言い難い。現在のところ版種としては三種類が知られている。仮にこれを初刊本・通行本・通行本異版と呼ぶことにすると、初刊本から通行本への改変は700箇所にものぼる。 本研究はこの饅頭屋本の諸本を調査して移動の状況を明らかにし、諸本を対照できる索引を作成した上で、饅頭屋本を節用集という資料郡の中にどのように位置付けるかを考察することを目的としている。 平成16年度はエクセルを使用し、索引作成に向けてフォーマットを決め入力作業に入った。入力項目は約2000語であり、現在も入力作業を継続中である。平成18年3月で約5分の4を入力している。 平成17年度は天理図書館へ二度の調査に赴いた。天理図書館には二種の饅頭屋本が所蔵されており、一本は初刊本、もう一本は通行本である。初刊本は首尾に補写があり、全体に多くの書き入れ、汚れのある本であるが、書き入れからは節用集受容の一端をうかがうことができる。通行本も首尾に補写があるものの、状態は非常によく、伝本が少ない通行本の中では貴重である。 平成18年度は阪本龍門文庫、慶應義塾大学図書館所蔵本の調査をした。どちらも通行本である。龍門文庫本はわずかに書き入れがあるが、刷りのよい本である。慶応本は刷りはかなり早く、濁点の残存状況もよいが、虫損が甚だしく判読できないところも多いので単独での使用は困難である。 科研費による作業は本年度で終了するが、残された課題は多いといわねばならない。諸本の調査はまだ継続中である。データベース化も入力作の5分の1を残しているので、これを完了する。さらに当初の目的である饅頭屋本の位置付けについて考察していかなければならない。 索引については将来的に諸本の影印と併せ、研究を付して刊行する予定である。
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