研究概要 |
本研究は、平成16年度から平成19年度までの4年間に、英語シノニム(類義表現)・語法の研究を行い、それを言述しようとするものである。状況に応じた最適の英語表現を選択しようとするとき、シノニムの知識や情報は欠かせない。本研究では、コーパス活用の利点である、(1)英米の参考書にない当該表現についても分析記述が可能となり、英米の参考書に負うところの多い現状を打破できる、(2)少人数のインフォーマント調査では避けることのできないインフォーマント自身の個人差を吸収できる、(3)母語話者が無意識のうちに行っている使い分けを分析の対象とすることができる、(4)母語話者ゆえに見過ごされていた現象や言語事実を非母語話者の立場から客観的に明らかにすることができるといった点を生かしながら、日本語母語話者が誤りやすい英語シノニム表現10組について分析研究した。 分析には、主として英国Collins社の提供による世界で最大級のコーパス検索サービスBank of English(フルコーパスで5億2千万語)を用いる。より信頼性の高いデータが得られるだけでなく、これまでは抽出数の関係で分析をあきらめざるを得なかったシノニム表現も調査対象とすることができるようになる。また、コロケーション分析には欠くことのできない頻度・MI-score・t-scoreなどの統計値に関する情報を得ることができ、大量のデータに溺れることなく効率的に分析を行うことが可能となる。 以下の10項目を扱った:(1)fall, (2)quietとsilent, (3)whetherとif, (4)if A were to doとif A should do, (5)baggageとluggage, (6)keep (on) doing, (7)heavyとhard, (8)not only A but also B, (9)each of them, (10)not to doとto not do.
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